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2019年1月 6日 (日)

中島健郎さん@ドイター・REAL VOICE

昨年のことになりますが、ドイターアンバサダー・中島健郎さん(クライマーであり山岳カメラマン)をインタビューしました。
REAL VOICEシリーズ、タイトルは「父と登った山が原点」。

インタビュー当日、いつものように自転車に乗って、さっそうとやってきました。「健郎、どうしたの?そのアタマ。寝ぐせ?」と言ったら、そそくさと洗面所にかけこみなおしていました。失敗した……そのまま撮影に入ればよかった。
そんないつも気取らないところ、誰といつどこにいても変わらないところが、彼らしいです。

インタビューには、健郎さんの大学山岳部後輩であり、イワタニプリムス勤務の山本大貴さん(写真右)も同席してくれました。
健郎さんは、先日、アンデスに向けて旅立っていきました。三浦雄一郎さんのアコンカグア登山+スキー滑降の撮影の仕事だそうです。今回のインタビューでは、ご自身の登山、撮影などの山の仕事について語ってもらいました。
なにかを強く主張することは少なく、自己顕示欲のない方ですが、ご自身の考えは揺るがずしっかりしており、インタビューでの回答も明快でした。

このブログの写真は私が撮ったものですが、web掲載のインタビュー写真は、かねだこうじさん。ほか、健郎さんの幼いころからの写真もあります。
ぜひ、ご覧ください。

http://www.iwatani-primus.co.jp/realvoice/3.html

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2018年12月17日 (月)

平成の登山「女性の活躍」@『山と溪谷』1月号

『山と溪谷』1月号「テーマで見る平成日本登山史」に、「女性の活躍」について書きました。
たった2ページで、ほとんどのことを割愛したし、少々片寄っている点もいなめません。雑誌に名が出なくとも、面白い記録を残している女性もいますし、フリークライミングを取り上げられなかったのは、片手落ち。室井由美子さん、大岩あきこさんらが先達となり、いまでは世界的クライマーもいます。
信頼する編集者が担当だったので、粘って書かせてもらえたけれど、女性のクライマーについても山ガールブームについても、とても書ききれないので、別の機会を作りたいと考えています。

「女性の活躍」というタイトルが、男性目線だという意見をいただきました。編集部からもらったお題「女性の進出」から、私が変更したものです。言葉の使い方は難しいですが、いちばん大切なのは、書き手の視点、意識だと思います。

「女性初」「日本人女性初」というくくりに意味がないという方もいました。私も、その感覚はとてもよくわかります。
一方で、田部井さんのエベレスト女性初登頂のように、社会的意味を持つ場合もあると思います。
以前、日本山岳会の「山」の編集人になったとき、「女性初だ」と言われました。1905年から続く会の会報です。しかし、それを問題にすること自体、私自身は疑問もありました。けれど、ある女性の理事が「役職を頼まれたら、なるべく断らない。そうやって女性が出ていかないとならない」とおっしゃっていて、そうかそういう先達あっての私たちだったのだと、思いました。
つまるところ、そのようなくくりがないなかで、ものを見ることができたらよいな、と思います。だいいち、本人たちは、性差はあるけれど、女性だからって思って登っているのではないので。

今回の執筆を機に、平成を振り返る書物を数冊読みましたが、なかなか激動の時代だったのだなあと思いました。

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2018年11月29日 (木)

「写真の記録性」@Stuben

いままで墨色だった題字がシルバーに。それって、そういう意味?
4冊目の『
Stuben』は、Photo Issue。
被写体であるスキーヤーは山木匡浩、撮り手は立本明広黒田誠廣田勇介中田寛也
ここに、「写真の記録性」という文章を添えました。

ほか、雪の世界にまつわる写真、写真に関する文章が綴られた一冊。
お手にとって、ゆっくりご覧ください。

11/30東京(小谷明×山田博之×渡辺洋一)、12/14札幌(山木匡浩×渡辺洋一)にて、刊行トークイベント開催です。

→ 東京

→ 札幌

webサイトの「Dealer」をクリックすると、取り扱い店舗のリストがあります。 

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渡邊愛理さんインタビュー@ランドネ1月号/発売中

いい出会いをいただきました。
渡邊愛理さんのインタビューを『ランドネ』1月号に掲載。

いまも昔と変わりなく、登山者としてこんな純粋で真っ当な育ち方をした若者がいるんだ!って感慨深かったです。

宮城県生まれ、栃木県在住。所属は、本田技研の職域山岳会。部署こそ違えど、かつての大先輩には渡辺斉さん、田部井政伸さんらも。
今年の春は、ヒマラヤキャンプでパンカールヒマールに登頂。

女性も男性も、これまでランドネを手にとったことがない方も、ぜひご覧ください。


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The North Face SUMMIT SERIES~K2

The North FaceのハイエンドモデルSUMMIT SERIESの今期カタログは、K2がテーマです。

カタログの後半分を、執筆しました。

K2の歴史やプロフィール、重廣恒夫さんと小松由佳さんのインタビューなど。
巻頭には、森山伸也さんが執筆した石川直樹さんへのインタビューもあります。


カタログ制作をしているさなかのこと。

山野井泰史さんとの会話のなかで、「K2は、どのラインにもストーリーがあるよね」って何気ない一言があり、ズキンときました。

探検時代から始まり、南東稜からの初登頂。その後の幾つものアルパインスタイルのトライ。
プロフィーらの北西壁、泰史さんとクルティカが臨んだけれどほぼ手つかずの南東面、クルティカが繰り返しトライした西北西壁。ロシア隊の西壁ダイレクト。
第2登から北西稜ほか、日本隊にも縁の多い山。
そして今年のトピックは、アンジェイ・バルギエルが山頂からBCまでスキー滑降。さらには、厳冬期など課題がいまもある山。

たしかにそれぞれに、ストーリーがある。それもK2ゆえんのことか。

店頭で配布しています。ぜひどうぞ。


そして、シリーズ展開に合わせて、11月20日からSUMIIT SERIESのイベントも始まり、連夜、原宿へ通いました。
二晩目は、佐藤裕介さん×鳴海玄希さん×山本大貴さんによる、セロ・キシュトワールの報告スライドショー。
当人たちから生の声で話が聴けるのは、ほんとうに嬉しく思います。
自分たちのクライミングについて、正当に評価でき言語化できることもまた、素晴らしいと思いました。
けっして派手ではないありのままの短い映像と幾枚かの写真と共に聞いた話は、ずっしりとリアリティがありました。


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2018年11月17日 (土)

インタビュイーになって

ふだんインタビューすることばかりだけれど、ごくたまに、インタビューされることがある。

新聞記者というのは、彼方此方たくさん歩き、たくさんの人の話を聞き、ほんとうに多くのことを見てきたのだと思う。
今回の取材に関して、これまで歩いてみてきた話を聞きながら、洞察力や観察力、分析力が素晴らしいなあと思った。色んなストーリーを掘り起こし、複数の人の話を聞き、そこからなにかをあぶり出す。

しかしそれにしてもよもや、インタビュー中に涙があふれるとは思わず、インタビュアーを驚かせてしまった。こんなにも気持ちの整理がついていない、ものごとを咀嚼できていないことに、どきどき気づかされる。
ときどき、「インタビューしてもらって、考えが整理されました」「気持ちの整理がつきました」と言われることがあるけれど、あれはおそらく本当なのだろう。
インタビューされて気づくことがある。

あの日、私がインタビュアーとなって、相手の足をさすりながらインタビューした日のことを思い出したが、私からのインタビューも取材もまだまだ続く。
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2018年11月16日 (金)

『現代用語の基礎知識』「登山」

『現代用語の基礎知識』の「登山」を担当して6年目になります。

昨年に引き続き、巻頭では竹内洋岳さんにご登場いただきました。
ことし新たに掲載した用語は、「山のグレーディング」と「登山のSNS」。11/8発売ですが、Amazonでは予約を受け付けています。

巻末の約60ページを使い「ことばでたどる平成」という記事があります。1989年1月8日に幕を開けた「平成」は、消費税導入、ベルリンの壁崩壊、天安門事件など、激動の年でした。振り返ると、年号の意味するところに反して激動は続いたように思います。

そんなスピード感と激しい動きのある時代にあって、登山を言葉でどうやって追っていけるのか。竹内さんは今回も、しなやかに時代を読んでくれました。

ぜひお手にとってご覧ください。


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2018年11月11日 (日)

針の穴に糸を通す

朝の散歩で、田んぼのあぜ道で摘んだ野の花を挿したら、夜になると元気がなくなってきた。

数日前、編集者は、「ここまでくると、皆のスケジュールを合わせていくのが、針の穴に糸を通すようなんです」と、電話口で言っていた。
皆とは、編集者である彼女、クライアントの担当者、誌面デザイナー、イラストレーター、それとライターの私だ。

編集者の仕事は多様に幾つもあるが、そのなかでも重要なのが進行管理。
発売日・発行日が決まっているわけで、それから逆算して、納品日、印刷所で下版する日、校了日……とどんどんさかのぼって、ライターである私に関係するひとつ目の日である原稿の締め切り日を割り出す。
たとえ、締め切り日に原稿を入れても、その後のデザインや校正、多方面との調整をしていくと、その先が進行表通りに進むとは限らない。
あらかじめ余裕を持っているとしても、最後の最後にはやはりギリギリになってくる。

こういった流れのなかで、その都度、細かく多方面に気を配り、日程を調整しながら、それぞれの仕事が円滑に進むようマネジメントするのが、編集者だ。
ほんとうに、たいへん。
しかし、針の穴に糸を通した彼女の仕事ぶりは、鮮やかだった。
私には、入稿後も、「この日とこの日は、なるべく電話連絡が取れるようにしてもらえますか」など、指示がきめ細かい。
野の花を摘んできた日、ようやく校了。
幾つもの目で見ても、ミスというのは防げないときもあるわけで、まだまだドキドキだけれど。
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2018年10月18日 (木)

プロフィール、そしてキャプションやタイトル、リードは?

今朝、インタビュイーであるスキーヤーさんから、「柏さんがいままで私をみてきて、思ったように好きなようにプロフィールを書いてください」とメールが来た。
最近の情報(たとえば、彼が被写体の写真展があるか、とか、ツアーやレッスンのお報せがあるか、とか)で、(雑誌に掲載する)プロフィールに載せたいものがないかどうか、問い合わせたメールの返信。
これには嬉しくなり、がぜんやる気が出た。

そして、ずっと前にブログに書いた「プロフィール」というタイトルの文章を探し出し、ツィッターに載せてみた(文末に引用)。プロフィールは本人が書くものではなく、編集者、インタビュアーが書くべきものだという話。
それを同業の仕事仲間がリツィートし、こんなコメントを残した。
「同意。プロフィール文を本人が書くっておかしいよ。なぜおかしいか説明しようとしたら字数が足りなくなってしまったので説明はしないけれど、そこを理解できない人とはあまり仕事したくない。そこはわりと致命的な姿勢が表れているようにも思うから」と。

まちがいない。
プロフィールは、その人となりを読者に知ってもらうのが目的であるが、その人選をしたのは編集者や筆者だからだ。


ところで。キャプションはどうだろう。写真に添える文章だ。
プロフィールの件とは、似て非なる話ではあるが。
ある編集部の女性編集者は以前、ずっとキャプションを自分で書いていた。
なるほど、誌面はライターと編集者の共同作業で作られるものであり、全体を見渡したときに、キャプションやリード、タイトルを編集者がつけるということも、アリだと思った。
タイトルを提案してくる編集者は時々いるし、リードを自分で書いてくる人も、まれにいる。
私自身は、タイトルやリード、キャプションを積極的に書いてくる編集者を歓迎する。ライターが書いたものにどうこう言う人は多いが、そうではなく、自分で書き始める編集者。人が出したものに、なにかを言うのは簡単だ。そうではなく、もう一歩踏み込んだコミットメント。

誌面は編集者とライターが共に作り上げるものなのだから。
結果、どのタイトル、リード、キャプションを掲載するかは、その後の話であり、これらを編集者も共に考える、という姿勢。

もちろんそこに、写真家、イラストレーター、デザイナーも関わってくるわけで、それらの人々を束ねるのが、編集者。その束ねる行為、コーディネート部分をまで、ライターに頼ってくる編集者は、ちょっと違うなって思う。
色んな編集者がいるけれど、編集者の仕事の領域というのは、実に曖昧で、へたするとすべてが編集者の仕事のようにもなる。

だけれども、ライターとして、私がやる仕事はひとつ、どんな編集者が相手であっても、本来的には変わらないはず。

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「プロフィール」 2015年10月4日
    
いつから、著者や筆者(あるいは写真家もかもしれない)のプロフィールを、本人に書かせるようになったのだろう。これは、編集者の怠慢だと思うし、悪しき習慣だとも思う。

書籍に載せる著者のプロフィールは編集者が、雑誌記事に載せる筆者のプロフィールも編集者が、インタビュー記事の場合、インタビュイーのプロフィールはインタビュアーが書くのが、常識ではないだろうか。
というか、それぐらい書かないでどうする。他人(ましてや本人)の手に渡していいのか? とすら思う。

プロフィールは、編集者やインタビュアーから著者や筆者、インタビュイーへの手紙のようなものだ。履歴を並び連ねる場合であっても、そこには取捨選択があるし、言葉遣いもある。だからときには、熱烈ラブレターにもなる。

書くときは、大概、既出のプロフィールを一通り読むだろう。けれど、既出の切り貼りはもってのほか。

随分前になるが、小さな新聞に載せたインタビュー記事のプロフィールについて、悩んだことがあった。「○○の活動に関わる、携わる、○○の活動をリードする」などの表記はすでにあったが、そうではない、と思っていたのだ。そのインタビュイーは、その活動に携わるというようなレベルではなかったのだ。
考えに考えて、「挺身」という言葉を思いついた。「○○の活動に挺身する」だ。

挺身は、類語辞典で引くと、「身を投げ出して一所懸命努力すること」。例文は「社会活動に挺身する」とあった。まさに身を挺して、活動に関わり続けていた彼には合致する言葉だと思った。

こんな風にプロフィールを考える、作文するというのは、作り手の特権、醍醐味のはず。こんな作業をやすやす本人に渡してはならない。

だから、自分の執筆記事に対して「プロフィール、書いてくださいね」と言われると、けっこうがっかりくるし、インタビュイーの方から「プロフィール、書きましょうか」なんて言われてしまうと、それは親切心だろうけれど、ちょっぴり悲しくなったりする。
もちろん、インタビュイーに言われた場合は、丁重にお断りし、自分の手に戻すのだが。

プロフィールを書く時間は、相手に思いを馳せる。これも、大切な時間なのではないかと思う。
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2018年10月 5日 (金)

ピオレドール受賞決定@『山と溪谷』10月号

『山と溪谷』10月号(9/15発売)に、1ページの小さなニュース記事を書きました。
平出和也さんと中島健郎さんが、シスパーレ北東壁初登攀をもって、ピオレドール受賞が決定した話です。

この号の特集は、「山岳写真家と歩く北アルプス紅葉~~~」。
巻頭の三宅岳さんの文章を、真っ先に読みました。写真家の文章を読むのって、好きなので。
岳さんのページには、美しい北アルプスの紅葉の写真も添えられています。
これをみて、「いったいこれは北アルプスのどこの山だろう?」と、一瞬首を傾けました。長年山登りをしていれば、北アルプスの名だたる山は、だいたいすぐにわかるはずなのに。

キャプションにある山名をみつけ、これまた「で……北アルプスのどこにある山だっけ?」と、もう一瞬首を傾けました。

そのあとすぐに、「ああ!」と思い出しましたが、ほんとうに一瞬わかりませんでした。このあたりは、緑が綺麗な時期に一度だけ縦走したことがありました。以来訪れておらず、そうか、ここはこんな美しく色づくのか、と思いました。
筆者の岳さんが、「写真はともかく、(選んだのが)意外な山でしょう」と言いましたが、これだけ山を歩き、たくさんの景色を眺めてきたかたこその、選択だったのだと、深くうなづきました。
山岳雑誌にさんざん特集されている、人だかりの紅葉の山々とはある意味、対局にある山。きっとこの秋も、ここは静かなんだろうなあ、と思いました。

そして、黒部の写真を載せている星野秀樹さんが、後半ページに、佐伯邦夫さんの追悼を書いていました。

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