伊藤ミサさん『山かく人』
切り絵作家/絵描き・伊藤ミサさんのきりえ挿画集『山かく人』。
2ヶ月ほど前から、時々眺めています。
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切り絵は、影があるから好きです。
タイトルの「かく」って何だろう?「描く」と「書く」だろうと思っていたけれど、「掻く」もある。田代をかくとか、弦楽器をかき鳴らすとか……直接山に関係なくても、いろんな動作を思い起こすなあと思っていました。
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どんな表現手段であっても、その表現に余韻があったり、受け手が想像を広げられる余白がある表現は、とても素敵だなあと思います。
ミサさんの表現には、雰囲気ある余白があります。
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岳人の連載や、先日花ちゃんが届けてくれた光岳小屋の手ぬぐいでも、ミサさんの作品はみてきたけれど、こうやって一冊になると、じっくり浸れます。岳人の連載からのページには、古典ともいえる山書からの文章も置かれていて、言葉と絵を行ったり来たりしながら味わうページでした。
私は、寺田寅彦の「雨の上高地」が好きです。
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彼女の旧知の山仲間が、若い頃はもっと尖っていて激しい作品を作っていたのだと、幾つか具体的に教えてくれました。ミサさんのそんな「生」への生々しい表現も、いつか拝見したいです。
HPからは本書を購入できます。
https://www.kirieito.com/
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