伊藤哲哉さん写真展「SEASONS北岳」@エルク
4月29日は、甲府にある登山道具店エルクで開催されていた、伊藤哲哉さんの写真展「SEASONS北岳」の最終日だった。
この日は、開店前から、エルクで仕事をする予定で9時には店入りをした。
ショップスタッフ達は、ゴールデンウィークに向けた売り場作りを始め、私は店の片隅で仕事を開始した。
その合間に、伊藤さんの写真展を拝見。
エルクの吹き抜け2階にあるスペースは、写真展や絵画展などに使われることが多い。
冬に、青山のnine galleryで拝見していた者としては、正直にいうと今回はどんな展開になるのかドキドキしていた。
エルクは、賑やかなお店であり、その吹き抜け2階でやるからには、写真の世界をどう作りだすのかなあと、思っていた。
一方で、nine galleryは、私も大好きな装丁家であり、アートディレクターの三村漢さんがプロデュースしており、伊藤さんの写真展についても、ディレクションしていた。写真の配置もサイズも、ライティングもすべて演出が整っていて、このなかで見る伊藤さんの作品は、かっこよかった。
いざ、エルクの階段を上っていくと、だんだんと見えてくるのが、北岳を正面からとらえた大きく焼いた作品だった。いわゆる山岳写真。
そして、伊藤さんの世界へ入っていくという演出になっていた。
一度拝見した作品ばかりだったが、心なしか、青山のときと表情が違った。
夕方、来客がはけたころ、もう一度階段を上がっていき、伊藤さんと話をした。
伊藤さんは、「写真も山梨にやってきて、山が近づいたから喜んでいるんですよ」と。
なるほど、そうだったのか。
朝の静けさのなかで観たときと同じような印象が、夕方の賑わう店内で観ても感じられたのは、山が近いからか。
おもしろいコトを言うなあ。
三村さんからも、色んなアドバイスをもらい、写真位置を入れ替えたりしながら、配置したという。
写真は、見る人の心象が反映するときもあるけれど、その場の雰囲気にも影響を受けるのかもしれない。
青山と甲府エルク、それぞれよかった。
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