川原真由美さん個展@title
イラストレーターの川原真由美さんが、昨年上梓した『山とあめ玉と絵具箱』の原画を中心に個展を開催しています。
とっても素敵でした。
本著を手にしたとき、鮮やかな山吹色の表紙と淡いタッチの絵に惹かれて読み始めたのですが、なかなか体力あって硬質な文章。それは彼女の人生経験がなせることなのかな、と思いました。
文中にも出てくるのですが、川原さんはRCCの中村勝郎さんの姪っ子さん。叔父のことは一介の山好きと認識していて、数年前に山を始めてから、「藤木久三さんって、あの叔父の友人の藤木さん?」って思ったぐらいのようです。
今回の展示は、裏銀座、常念山脈、高山植物、山をモチーフにした抽象的な絵など。
なかなか、生々しい絵もあり、それを『山とあめ玉と絵具箱』などというキュートなタイトルの書籍に収めた理由を聞き、共感しました。
会場には、本棚もあって、ご自身が持ってきた本(ボックスの中→RCC会報の中村さんが描く概念図が美しかった)や、お気に入りの本を販売中です(ココ、本屋さんなので)。
販売の本が載っている棚は、なんとご自宅の本棚を外して持ってきて取り付けたと。なんて可愛らしい方なんだろう。
私は、山村正光さんの『車窓の旅 中央線から見える山』を購入しました。
生前、山村さんをインタビューする機会に恵まれ、彼の著書は幾つか手元にあるのだけれど、文庫本化されこの表紙! 買わずにいられないでしょう。横位置の写真を縦に使うのも斬新な装丁。
どこから撮ったものか書いていないけれど、山村さんがいちばんお好きだった甲斐駒ヶ岳は、日野春からの眺め。
ところで、絵描きはこうやって原画を売り、一人の人の手元に届けるわけだけれど。
売文者は、一人の人のために文章を書き、届けることってあるのかなあ。それは、手紙なのか……とわけのわからないことを考えながら、帰ってきました。
4/5まで、東京・荻窪「title」
https://www.title-books.com/event/8679
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