カトラリーとマグカップ持参で山小屋へ泊りにいらっしゃった方々
年末に、友人たちが小屋番をする七丈小屋(甲斐駒ヶ岳・黒戸尾根)を手伝っていたときのこと。
夕ご飯後に、お皿を下げにいくと、ニコニコしながら、未使用の紙コップと紙のカトラリーを返された。
旭立太ガイドご一行様のテーブルでのことだった。
冬になり沢から水が取れなくなると七丈小屋では、それまでに貯めた水と雪を解かしたものを使うようになる。
天水が取れない山小屋というと、北穂高小屋での長い経験のある私としては、それほど違和感はないのだけれど、山小屋側の苦労は並々ならぬものだ。貯めた水にも限りがあるし、雪を解かすにも燃料が要る。これも限られた量だ。
そのため、宿泊客の食事は紙の皿やカトラリーを使うようになる。
それを知って持ってきてくれたのかな?と思いながら、「あれー、お使いにならなかったんですか?」と尋ねると、「ホームページを読んできました~」と、ご自分たちのカップを持ちながら、またニコニコして応えてくれた。
ホームページには、水が限られるようになってからは、マイカップやマイ箸をご持参いただきたい旨が書いてあったのだ。
嬉しくなり、「ありがとうございます」とお礼を言ってから、小屋番さん達に報告した。
ごくたまに友人ということだけで手伝いに行っている山小屋であり、私が言うことでもないかもしれない。
しかし、カトラリーとコップを戻してくれる時の、皆さんのニコニコした笑顔がとっても素敵で、とっても嬉しくなった。
嬉しそうにご飯を食べてくださり、楽しそうに山に登り、ニコニコと私たちと会話してくれたのが、とっても心に残っている。
« わくわく山歩き@毎日新聞「玄岳」 | トップページ | 小屋番の定点観測 »
コメント