第一印象
インタビューしようと思ったきっかけは、第一印象にあった。
大勢がいるなかで、各人がみなの前でマイクをもち、ほんの短い挨拶をしただけ。
その挨拶を聞いた以外、ほとんど話もしなかったけれど、インタビューするのだったら、彼女だって思った。
それら半年以上経った日、鮮やかな靴を履いて、やってきてくれた。
よくよく話を聞くと、数年前、私がテールガイドをした雪山登山に参加していたそうで、あの日の彼女は初対面だったわけではなかった。だから厳密にいうと、第一印象というのは、「あまり覚えていない」……ということになる。
そういう細かなことは置いておいたとして、第一印象通りの人だった。
おまけに、親近感がわく。
いまどき、山の世界でこんな風に育ってきた人って珍しいのではないかと思ったが、それがかえって近しく思う。
二回り近く若い方だから、時代が巡ってきたということだろうか。
ずっと彼女の顔を見ながらインタビューしていたが、心の揺れとか感情の表し方とか、なんだか自分を見ているかのように思えた節もあった。
同席した編集者もインタビュイーの彼女も、私と似ているのではないかと言い出した。
似ているというのは、おそれおおいことだが、第一印象とか直感というのは、信じてよいのかもしれない。
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