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2018年5月16日 (水)

短い時間のおしゃべり

シャモニーを発つとき、クルマで中央駅まで送ってくれた方がいた。
宿から中央駅に行くには、バス停まで歩き、バスに乗り、そしてまたバス停から歩かなければならない。大した距離ではないが、荷物が重くて大変だろうからと。
この先、何度も乗り換えを繰り返して、グリンデルまで行くのだし、大丈夫だと重ねたのだが、「大丈夫、大丈夫」と、あちらが大丈夫、と。
実際のところ、これにはほんとうに助けられた。

車中、短い時間だったけれど、いろんな話をした。
それぞれの近況とか。家族のこととか。
頻繁に会う間柄なわけではなく、一昨年夏に初めてお会いして以来、2度目だけれど、この間の夏も、今回も、ちょっとした時に、プライベートなことを話すようになった。
こういうのは、会った回数とか、一緒に過ごした時間の長さにだけ比例するのではない。相性とかタイミングとかだろうか。
また、プライベートなことを話さないからといって、近しく思っていないわけでもない。

互いに似たような年齢で、「若く見られるのがイヤだ」というのも、同じだった。
たんに顔の作りが幼いだけかもしれない。私の母がそうだった。
それにヨーロッパでは、ことアジア人は幼く見える。

「だからもう、諦めた」、と笑っていた。私も最近になってようやく、「お若いですね」と言われると、「ありがとうございます」とすぐに言えるようになった。若く見られることが苦痛でならなかたのは、この10年ぐらいだろうか。

大人になるには、たくさんのことを飲み込まないといけないという。幼稚に開き直るのでもなければ、成長できないと諦め、放棄するのでもないなにかで、相手の言葉を素直に受け取り、お礼を言えるようになる。

車中のお喋りも、それぞれが飲み込んできた、色んなことに触れるような、そんな心に残る時間だった。


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