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2017年11月21日 (火)

写真展は通うもの

土曜日、長野から東京にやってきていた仕事仲間の写真家さんと待ち合わせ、写真展「二十世紀の巨匠 美と崇高の風景写真家 アンセル・アダムス」へ行った。
高校の写真部のときの話などを聞きながら、どの作品が好きか、あれこれ会話しながら観て回るのは面白かった。
 
「写真として好きなのは”ハーフドーム吹雪”だけれど、部屋に飾りたいのは”アスペンス”」「”アスペンス”はふたつともいいね、ひかりが好き。”網戸の向こうの女性”や”グレッシャーポイントからの月の出”もいいな」とか。
アンセル・アダムスが自分の影を写した写真を前にして、彼が手に掲げているのは「露出計?」と聞くと、「フィルムホルダーでしょう」と教えてくれた。昔の露出計はこんなに大きくないそうだ。だいたいのモノが小型化していくのが世の流れだと思うが、露出計は時代とともに機能が増えて、大きくなったのだと。へええ。
ピントがうしろに来ていることや、影がぼやんとしていることに、あーでもない、こーでもないと。
 
これまで写真展というと、そのほとんどは一人で行った。
けれどこうやって、人と話をしながら回るのも楽しいものだと、知った。
 
そして1日置いて月曜日、また同じくアンセル・アダムスの写真展へ行ってきた。
 
以前、一緒に連載をした写真家さんが、写真展の出口にあったアンセル・アダムスとツーショットが撮れるパネルの前で写真を撮ってあげるよ、と声をかけてくれた。
そんな大の写真家さんにシャッターを押してもらうなんて、とんでもない、と思ったが、私のコンデジを使って、「上手く撮れるかなあ」と言いながら撮ってくれたそれは、どれも面白い写真だった。知らぬまにたくさん撮ってくれていた。
まったく、素人の私とは違う。
(↓撮っていただいた写真を加工したのは、私自身)
 
アンセル・アダムスの写真の数々は学校のテキストにもよく使われていたといい、その内容をひとつひとつ教えてくれた。
 
撮影年は表記されているが、現像された年はどこにも載っていない。けれど、焼き上がりの様子を見ながら、おそらくこれぐらいの年代だろうと教えてくれた。
ポラロイドの仕上がりについても教えてもらうと、その浜辺の砂がより味わい深く見えてくる。
 
大判カメラは後ろに焦点がいきやすいが、手前をどのように表現しているか、静物をどんなに表現しているか、ひかりがどこからあたっているか、全体のバランスを取りながらか明るいところをどこまで表現しているか。
 
ゾーンシステムや、ゾーンセブン、エルナンデスの月の出の作品についても。
 
二度目に見ると、そして色んなことを教えてもらいながら見ると、いっそう奥深く、広く見えてくるものがある。いままで見えていなかったものが、浮かび上がってくる。
それは理論的に写真を見るというよりも、理論やメカニズムを理解したうえで、その上に築かれた感覚や感情の世界を見るような。
 
2時間ちかくかけてひとつひとつ見て回った。
前日は、ある有名写真美術館のキューレーターが来て、写真解説をしていたというが、そんなことはちっとも羨ましいと思わないほど、私も濃密な話を聞きながら、贅沢な時間を過ごした。
そして、思った。彼はまたきっと後日、ここに来るだろうし、私もまた行こうと。
こんどは一人でも行ってみようと思うし、一緒にこの写真を見て回りたいなって思う人もいたり。
写真展は、通い続けて見るものなんだと、思った。
Fbpb200016

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