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2017年7月

2017年7月24日 (月)

ふと住みたくなるとき

山麓で暮らしたいという気持ちは、消えることなく。
仕事上の利便性や毎日山を眺めることができる、思い立ったらすぐに山に行けるなど具体的なことだけでなく、ふとしときに、その気持ちがむくむくと湧き上がってくる。

週末の常念岳での仕事に備え、金曜日の夜に山麓入り。
朝4時半駅前集合に合わせて、宿を出たとき、東の空に浮かんでいた暁月。こんな細いお月様がくっきり見えるんだと見入っていると、月の向こうに東山。
こんなときに、何の理由もなく、しいて言えば、その場の空気感を感じて、ああやっぱり北アルプスの近くに住みたいなと思う。

下山後、栂池までやってきた。仕事仲間の方々と、お酒を飲みにでかけて、夜遅くに店を出るとき、涼しく爽やかな夜風に、また住みたいなと思った。
ご一緒した方とそんな話をしていると、「僕の家のすぐ近くにこんな物件が出ていますよ」と。

どこに住みたいかって、具体的な条件だけでなく、とっても感覚的なモノなんだと思う。

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2017年7月18日 (火)

遠望の街、機窓の街

オハイオより東には行ったことがなく、新鮮だった。
ニューヨーク州のアッパーでハイキングをするために、JFK空港でトランジット。
世界の名だたる空港、名だたる街にある空港に降り立つのは、やっぱりちょっと興奮する。
 
ターミナル1に着いて、バーリントン行きの国内線に乗るためターミナル5へ移動するのに使った列車は、その名も「ジャマイカ・トレイン」。最終ターミナルまで行ったあとは、ニューヨークの街に向かうラインだという。
ターミナル5の駅に着いて、搭乗口に向かうブリッジを歩いているとき、遠く摩天楼がみえた。
一緒に歩いていたのは、30代後半をNYで仕事した山の先輩だった。彼女から、どれがエンパイア-・ステート・ビルか教えてもらった。
 
アメリカ滞在最後の日、お月さまがまるで半分の輪切りにしたオレンジみたいに見えて、星が降るような夜中に、バーモントに暮らすメリーアンの家を出て、バーリントンの空港まで送ってもらった。
バーリントンからJFK空港に着陸する少し前に、右手の窓からニューヨークの街がみえた。
ここにいっこさんが暮らしているんだなあと思いながら、見おろし、セントラル・パークがあんまりにおっきいことにびっくりした。
 
彼女がイスラマバードに赴任していた時期に、登山の帰りに会ったのが最後。20代後半に机を並べて一緒に仕事をした友人。まさに戦友というような存在だったが、あの頃から、彼女の人生に対するビジョンは明確だった。
旅先で、もうひとりの戦友であるキムちゃんから、「東京に戻った」という便りが届いたばかりだった。
キムちゃんもいっこさんも、同じく東京に暮らした時もあったけれど、会えるようでなかなか会えない。それはじつは、遠くに暮らしていても同じで、キムちゃんとは、昨年彼女の故郷の京都に帰国中にやっと会えたぐらいだ。

世界中どこにいても、会えるときはあえて、会えないときはあえない。
けれど、友人が住む街を素通りするのは、ちょっと、いやかなりさみしい。

遠望して、機窓から見て、ニューヨークっていう大都市を想像して、そこに暮らす友人とチャットして、声を聞いて。その先は、またいつか。

2017年7月 1日 (土)

なごやかな夜の電車

昨晩、友人たちと食事をし、終電の2本手前の電車で帰ってきた。
乗り換え駅から乗り込むと、数駅先に住んでいる知り合いと出くわした。
最近、この広い都会で、電車や駅で友人・知人と偶然会うことが続いているので、さして驚かなかった。
私は途中から乗り、1駅だけだったけれど、我々の会話は、最近のちょっとしたことを終えてすぐに、足元に転がるようにいる女性に移った。

酔っ払いである。
若い女の子がスカートをはいて、電車の床に座り込み、ゴロンゴロンと右に左に前に後ろに揺れながら寝ているのは、それは好ましいコトではない。
すぐ脇の座席に座る男性は、ちょっと迷惑そうな顔もしていた。
助けてあげた方がよいかなとも思ったが、命に別状があるわけではないし、またそう大きな迷惑をかけているわけでもない。ちょっとぐらいこの子も、今日は痛い目にあうのかもしれない、社会勉強かな、とそんな風に私は思っていた。

そうしたところ、私達と同じように近くで立ってつり革につかまっていた男性が、脇に転げ落ちていたバッグを、女性に抱えさせるように持たせてあげたのだ。なるほど、これは親切というものだ、と私は思っていると、その男性が私ににっこり微笑んだ。

もうしばらくガタゴトと電車が揺れ、彼女も相変わらずゴロンゴロンとしていると、先の男性が、座席の男性に向かって、「お知り合いですか?」「スミマセンが、席を空けてあげてくれませんか」「ここに座らせちゃえばよいかと思って」と。
座席の男性は、「知り合いじゃないんです」と迷惑そうに言ってから、続いた言葉に一瞬戸惑っていた。迷惑を受けている自分は、車内で同情される立場だと思われていると思っていたかもしれないし、仕事で疲れてやっと座った座席を、おいそれと譲るのは辛い。これは、都内通勤者だったら、誰でもわかることだろう。
 
戸惑っている間に、、隣の座席の男性が立って、席を譲った。つられて、言われた男性も立ち上がり、二人分の席が空いた。つり革の男性が彼女を抱きかかえ、席に座らせようとした。
 
その時、定期券が落ちたので、その行先をちらりと確認しながら、私は定期券についていたゴムを、彼女の腕に取れないように巻き付けた。ついでに、周囲の人たちにわかるように、彼女の行先の駅をつぶやいてみた。あと30分ぐらいかかるだろうけれど、終点だ。
 
それにつり革の男性がうなずいた。次の瞬間ふうっと、彼女が立ち上がって目を開けた。私は思わず、「立ち上がった~」と言ってしまった。その隙をついて、つり革の男性が「どこまで行くの?」と尋ねた。か細く澄んだ声で、駅の名前を言った。およそ、酔っ払いとは似つかない声色だと、私は彼女の可愛らしい顔を見入った。
 
それまで見物客だったのか、あるいは見ていたかどうかもわからなかった乗客たちが、「じゃあ大丈夫だ、終点だね」「車掌さんが、おろしてくれるだろう」「あとは、自分で帰れ」など次々に言って、どっと笑いが起きた。
当の本人は、座席ですやすや寝ている。
 
私は駅に着いたので、知人に挨拶をして、電車を降りた。
けっして褒められた酔っ払いではないけれど、ギスギスしがちな都会の電車のなかが、今晩はなんだか、なごやかだった。

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