言葉
インタビューというのは、独特の行為だと思う。
週末のインタビューは、同世代がおふたり、一回り若い彼がおひとり。3人のクライマーだった。
同じ話題を繰り返し話すなかで、インタビュイーが先と違う言葉を使い始める。それが意図的に選んだ言葉なのか、無意識に変化、変容してきたのか、わからない。けれど、本人には確かめなかった。選びとっていく言葉が、心情の変化と一致するように感じたからだ。
またあるときは、もうひとりのインタビュイーが使った動詞に、耳が傾いた。私では、決してその名詞と動詞を結びつけないような組み合わせだったからだ。彼が口にした動詞を使って、翌日、その時の話を繰り返し聞いてみた。
そうしたら、「そうそう」とまた同じ話を、もう少し詳しく話してくれた。
なかなか思いつかない言葉だけれど、それがそのときの彼の心のうちと一致するのかもしれない。
いつ初めて会ったんだっけ? と聞いてみると、ひとりは「さあ、もう思い出せませんね」と。もうひとりは、「2002年のカトマンズですよ」と。はあ……そうだったか!忘れてもうた……。
時が流れ、皆さんにはそれぞれのことがあり、その中で登山を続けてきた姿に出会え、感慨深い2日間だった。
簡単に答えなんて出ない、けれど、ものごとを継続するなかで、その人の人となりが輝いてみえてくる。
こういう人たちに再会できると、自分もちゃんとしなきゃなと思うのだ。
私が彼らのことを、とっても魅力的だなあ、いい人たちのことを書かせてもらうんだなあと思うのと同じように、インタビュイーたちも、いいなあ、素敵だなあと思うようなインタビュアーからインタビューされたいだろうし。
とても、追いつきませんが、それでもずっと見続けたいと思う方々、見続けてきてよかったと思う方々をインタビューさせてもらえるのは、書き手の幸せ。
最近のコメント