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2016年4月

2016年4月30日 (土)

「変わらないもの、変わりゆくもの シェルパたちの営み」@『WILDERNESS』

2本目のご紹介は、「変わらないもの、変わりゆくもの シェルパたちの営み」。『WILDERNESS』 (4/26発売・枻出版)に掲載してあります。

ネパールのクーンブ山域にある小さな集落、ティンポーという4200mの地で、春から秋のあいだ、バッティを営み、ヤクを放牧しているシェルパの家族についてです。
一昨年に出会い、昨年も会いに行きました。

私が書く仕事に就く決心をしたのには、ふたつのきっかけがあります。そのうちのひとつのキーワードが「シェルパ」です。
いままでシェルパについて書くことを封じてきたので、ライターになって20年の今回が初めてです。

昨年10月に私が彼らの家を去るとき、お母さんのミンマ・ディキが「ペーリー ベトンラ!」と繰り返していました。目に涙ためながら笑顔で。 「また会いましょう!」という意味です。
会えるかわからなくても、会いたい気持ちがあれば、「また会いましょう」と言いたくなります。
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「孤軍奮闘、未来をみつめ「ヒマラヤキャンプ」を作る人 花谷泰広」@『WILDERNESS』

4/26発売の雑誌『WILDERNESS』 (枻出版)に、3本の記事を書きました。
それぞれに気持ちがあるので、ひとつずつご紹介します。



最初は、
「孤軍奮闘、未来をみつめ「ヒマラヤキャンプ」を作る人 花谷泰広」です。
ヒマラヤキャンプを主宰している、花谷泰広さん
の物語です。

早々に本人から「原稿は見せてくれなくていいよ。掲載を楽しみにしている」とプレッシャーをかけられました。
原稿確認不要の意図は計りかねたけれど、好きに書かせてもらいました。


皆さんそれぞれの“花谷像”があると思いますが、私からみた花谷くんは、真面目で前向きで、優しくて素直で繊細。
そのチャーミングな性格が、みんなをその気にさせるのだと思います。

そして最近はとくに、「走り続けながら、考え続けている」。


初めて会ったのは2004年の瑞雨の日。奥多摩の友人宅でした。岩場から帰り、私がギアの整理をしているところに、彼が立ち寄りました。
物おじせずはっきり自分の考えをいう若者で、清々しい印象を残していきました。

ちょうど先日、その旧知の友人宅に数泊し、岩や沢や釣りや山菜採りをして遊んできました。あの日と同じように雨も降ってきました。
10数年前と比べて、私はちっとも成長できずにいるけれど、花谷くんはずいぶんと変容したなあと、改めて思いました。

歳月を経て(まあ、印象もずいぶん変わりましたがw)、近年は仕事を中心に一緒になる機会も多かったです、日本とヒマラヤで。
「2年も続けてヒマラヤに一緒に行くと、家族みたいになる」と言ったのは彼ですが、こうしか書けなかった自分の力不足を、認識しました。

 

*以下の写真は、昨年のヒマラヤキャンプのときに撮ったもの。
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2016年4月21日 (木)

船尾修さん「第25回林忠彦受賞記念写真展フィリピン残留日本人」

水越武さんの写真展に行ったその日、お隣で開催されていた船尾修さんの「第25回林忠彦受賞記念写真展フィリピン残留日本人」にも立ち寄った。

船尾さんは、文章もお書きになる。けれどその圧倒的な筆力をもった方が、文章と併せて写真を撮り続けているのだ。
船尾さんは、フィリピン残留日本人を一人一人訪ね歩き、話を聞き、彼らのポートレートを撮っている。
一人一人の人生やその背景については、ごく簡単に説明された文章が添えられている。けれどその文章を読むよりも先に、一枚一枚の写真が訴えてくるものに、圧倒された。顔の表情、身なり、立ち姿、風貌、全身から醸し出すもの、それらを船尾さんが写真におさめ、私たちにみせてくれるのだ。

水越さんの作品と続けて拝見して、つくづく写真表現の可能性を見せつけられた。


受賞にあたって、「賞をいただくというのは自分の仕事が評価されたということ。フリーランスでやっていくというのは周りが想像する以上に孤独です。自分の立ち位置もわからなくなりがちです。だから受賞は本当に励みになります。」と、船尾さんがコメントしたことも印象的だった。

東京・六本木にあるミッドタウン/FUJI FILMスクエアの会期は本日までで、
このあと、林忠彦が生まれた周南市や北海道東川町などを巡回するそうです。

https://readyfor.jp/projects/philippine-japanese
http://fujifilmsquare.jp/photosalon/tokyo/s1/16041501.html

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2016年4月17日 (日)

水越武写真展「真昼の星」第2部「いのちの聖域 原生林」

水越武さんの写真展「真昼の星」の第2部「いのちの聖域 原生林」が始まっています。会場は、東京・六本木にあるミッドタウン/FUJI FILMスクエアです。

私が訪れた昨日は 、水越さんが作品を解説してくださる「ギャラリートーク」がある日であり、途中からですが、聞くことができました。

会場から「写真撮影で一番大切にしていることは、なんですか」という質問があり、「記録すること」と明確に応えていらっしゃいました。
少々私の解釈を加えると、被写体をありのまま写しだすことに注力している、という意味かと思います。
それを聞いて、書くときにも心がけることだなあと、僭越ながら思いました。

水越さんの写真展の隣では、船尾修さんの写真展「第25回林忠彦受賞記念写真展フィリピン残留日本人」もやっています。
船尾さんは、水越さんのアフリカ取材に2度同行したことがあり、「写真に関して、ほんとうに真っ直ぐな人」と、話していました。
70歳を越えてキャリアを積んだいまも同じだろうか?と私が尋ねると、船尾さんは「変わらないでしょうね」と。質問しておきながらではあるものの、私もまったくその通りだと思っています。

セコイアの森も、ネパールの森林火災も印象的だったけれど、最も心に残った写真は、ナンガパルバットの氷河が森林地帯まで迫ってきているさまを撮影したものでした。
どの写真も、森のすべてを表わそうと努めたものだと思います。
目の前の森の姿をただそのまま写すのではなく、森の営みを探ろうとしたものだと感じました。

会期は、5月31日まで。
http://fujifilmsquare.jp/detail/16020204.html?link=newsrelease&_ga=1.8340786.1880678636.1460814253

『岳人』5月号

『岳人』5月号(4/15発売)に、編集部より依頼があり、谷口けいさんの偲ぶ会について短い記事を書きました。

写真をご提供くださったのは、我妻一洋さんです。

なお、本文にありますシブリン登頂は2005年が正しいです。
2006年は誤りです。訂正し、お詫びします。

2016年4月14日 (木)

遣らずの雨

先日、富山の朝日町に住む女性に誘われて、ホタルイカをとりに行ってきた。
4月上旬ごろの新月の日がねらい目だけれど、ぼわんと気温が上がって、風が収まった日でなければならないそうだ。だから、必ずしも新月の夜とは限らず、そのあたりのなかで、お天気も合った日がよいとされている。
数日前から、「今晩行ってみようと思うんだけれど」とメールが入り、「いま、京都に出張中だから行けないわ、ざんねん」などというやり取りが何度か繰り返されたあと、いよいよだっていう日がやってきて、出かけていった。

ぼわんと気温が上がった日がいいというだけあって、夜中だというのに外気温も思いのほか高かったし、なによりも海水温がそれほど低くないことに驚いた。北陸の日本海だというのに。海水温は一ヶ月前の天気が影響するというので、今年の冬はそれほど冷え込まなかったから4月アタマの日本海がこんなに温かかったのだろうか。

そういえば、クライマーでありサーファーの仕事仲間が、数年前に「海のなかはとっくに春ですよ」と言ったのは、たしか2月か3月のことだったではないだろうか。
サーフィンをしていて波にまかれ、海のなかにブクブクと潜ったときに、若布が出ていて、春の様相だったというのだ。
その彼は、その後、視力が奪われ、クライミングは限定的な環境でやっている。
メールや電話では話すことがあり、同じく数年前に、私たちが作った映像の試写会にも来てくれた。「行ったことのある街は、大概ひとりで行けるんですよ」と。
サーフィンを続けているかどうかわからないが、五感のうちのひとつが弱くなったとしても、ほかの感覚がさらに研ぎ澄まされていくさまを、彼の言葉の端端に感じることがあった。

夜中の1時半に浜に集合し、明け方までとり続けたホタルイカ。
漆黒の海も、ヘッドライトで照らし目が慣れてくると、深さがわかり、入っていくのもさして怖くない。というか、穏やかな遠浅の海だし。
タモにかかったホタルイカが鮮やかな青色に光るさまが印象的だった。
産卵のために岸に近づくが、小さな月の光では海水面の高さがわからなくなり、波にさらわれてくる。このホタルイカの「身投げ」が、富山湾に春を告げる使者のようだ。

けれど、同じ位印象的だったのが、この日明け方から降り始めた雨である。
朝日町の彼女の家に戻り、2階の部屋でとれたてのホタルイカを茹で上げ、日本酒と一緒に食していたとき、窓の外には、しとしとと雨が降っていた。
「穀雨」や「甘雨」「瑞雨」と呼ぶには、ほんの少しだけ早い日だったけれど、淡い雨音が続き、湿った生ぬるい雨の匂いが、部屋の中にまで届いていた。
煙雨の向こうには、柔らかい色をした里山が見えていた。

先の仕事仲間も、こんな日、雨が零れ落ちるさまは見なくとも、音や匂いや肌触りから、卯の花腐すような雨の感触を味わっていただろうか。
そんなことを連想すると、人間がもつ感性がいとおしくなる。

その後、白馬に帰る頃には、バケツをひっくり返したような降りになった。
これでまた、山の雪解けも進む。

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2016年4月 9日 (土)

気の合う友達

相応の歳になって、ひょっこりできる気の合う友達もいれば、長年の気の合う友達もいる。いずれしても、友達は数ではない。ほんとうに付き合える友達が、たとえひとりでもいればいい。

本屋を一緒にめぐることができるのは、気の合う友達だ、やっぱり。
彼女とは国内外いろんなところを一緒に旅したり、登ったりしてきた。
この間の週末、京都で仕事があり、その前後の時間を使って本屋巡りをした。

それほど互いを気にすることなく、書棚を眺め続け、手に取り、ページをめくり、ときにはレジに持ち込み。

そしてまたとぼとぼと歩いて、次に出てきた本屋に入る。

ちょっとしたタイミングのずれも、あまり気にせず、時間がかかっている方を待つ。
そして、歩き疲れたら、お茶の店へ。
お濃茶をいただいたあとに、お薄にしていただいて、寛ぐ。

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