東京女子医大に勤務する性差医療の専門家、片井みゆきさんと一緒に、30-40代の女性がエベレスト街道をトレッキングした際の健康状態、高所順応についてデータをまとめ、発表した。
この分野の研究は登山家やトップクライマーのものが多く、私たちのように一般の登山愛好家たちのデータ、とくに年齢層・性別を区切ったデータは少ないため、思い切って、発表してみた。
2011年GWにMJリンクでネパールトレッキングに行った時の参加者たちに協力してもらったデータである。
ほか、日本登山医学会から依頼を受け、最終日午後の市民公開講座で、30分ほど話をさせてもらった。
登山ガイド、山のことを書くライターの立場から、疲労軽減できる歩き方について、いつもお客様に伝えているような内容を話した。
ところで、この会ではちょっと驚くことがあった。
ある方がご自身の講演のなかで、“山ガール”は不勉強であり、まじめに山に取り組んでいない人が多く、事故も多い。またこれらの山岳雑誌の記事が、そういった山ガールたちの行き過ぎた行動を助長していると話したのだ。
実際にはそれらは山岳雑誌ではなく、NHK出版からかつて出版した女性登山者向けのムック本「はじめる、山ガール!」などの記事数点と、ボルダリング番組のテキストであり、実際にプロジェクターに記事が大きく映し出された。
後者は私は手掛けていないけれど、その他の記事はすべて私が編集したり執筆したものだったので、発言を求めた。
なにをもって“山ガール”と呼ぶのかは、おいておいたとしても。
世の中には、みんなそれぞれのきっかけがあって山に登っていて、また登りたいと思う人もいたりして、それで装備を買ったり(あるいはレンタルしたり)して、山登りを繰り返していく。
そんな人たちが、ひょっとしたら途中で間違いをおこすかもしれない。
けれどそれは、初心者に限ったことではなく、中級になろうが上級になろうが、間違うときはある。人間はそんなに賢くないのだから。
そしてこちらが誠意もって考え作った記事がなぜ、ふざけた記事、遊び半分で遭難事故を増やすような記事と評価されたか、である。
そして、それが日本登山医学会という公の場で発言され、また学会会員だけでなく、地元福岡在住の多くの登山愛好家の方々が話を聴いた、という点だ。
話を聴いた人たちはどう感じたのだろうか?
誌面に女性が出ていて、そこにカラフルなウエアを着ているとそれだけで、ふざけた登山者、とどうして言えるのだろうか。
登山用のウエアにカラー展開が多くなり、選択肢が増えたことは本当に喜ばしく、とっても楽しいことなんだけれど。
どうして、ボルダリングが危険なスポーツで、それが山岳事故を増やすことにつながるというのか、まったく理解できなかった。
ボルダリングは……人間の身体ひとつで岩に向き合うものであり、、、(なんてことは、もう言わなくていいな)。
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