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2011年11月27日 (日)

国際山岳認定医講習会Day2

講習2日目。
色々考えさせられた。

尾崎さんの事例は、ほかのもうひとつのエベレストでの事例(HACEHAPEで生還)と比較しながらディスカッション。
この様な場に、不幸にも死亡者が出た事例を取り上げることを快諾してくださったご家族や関係者の方々には本当に感謝してもしきれない。

その後、平出和也さんも来て、自らのシブリンでの凍傷について報告があり、またこれをテーマにディスカッションした。
これは、私にとってとても興味深かった。

ひとつには、平出さんの発言のいくつか。
受講していた若い男性医師が、ご自身のブログにも書いていたが、平出さんは当時の自分を「中級者」と表現していたのだ。
初級を通り過ぎ、上級者にいたる前の中級者こそがおかしやすいミスについて、彼は述べていた。
自らを、中級者と認識できる点がすぐれているのだと思う。
また、当時私は、帰国後の二人をインタビューしているが、その時と比べて、当事者二人がこの件に関して一層、考察を重ねていたことにも驚いた。
なぜ凍傷になったのか、なぜ二人の間に差があったのか(ひとりは軽度で回復、平出さんは重度で切断)、今後間違いを犯さないためにはどうしたらよいのか。

二人が下山後いつも、「反省会」を開いているのはよく知っているけれど、おそらく反省会は繰り返し繰り返し開かれたのではないだろうか。
シブリンはとてもいい登山だったと思うけれど、その後も登った二人が、自分たちの登山を振り返ることによって、さらにさらに成長していたことを知った。

またもうひとつは、凍傷の原因にストレスが挙げられるということも、とても興味深かった。
シブリンでの凍傷について、ふたりの重症度に差が出た理由はどこにあるのか。
いくつか項目がピックアップされた。
私はインタビューしていた当時から、それぞれに降りかかったストレスにも差があると感じていたので、それが気になっていた。
精神的ストレスが、凍傷の原因となりうることを医学的に教えてもらうことができ、この講習は得るものがあった。

また渡航医学については、専門性が高い内容も多く、医師ではない私には難しい話題も多かったが、それでもとても興味深かった。
来年の学会で発表したいと準備しているテーマにも関連する話題もあり、勉強になった。

全体を通じて、意外にも傷病者を前にして考えること、評価する内容は、医師であっても、私達がウィルダネス・ファーストエイドで習ったことと同じなんだということがわかった。
私は、カナダのスリップストリームと、アメリカのウィルダネス・メディカルアソシエートが行なう、ウィルダネス・ファーストエイドの講習を受けたけれど、そこで習ったことがそのまま、今回の講義でも行われていた。
無論、医師免許があり、その経験と技能と知識がある人間と、医療に従事していない一般の者ができること(評価も処置も)、その内容と質には大きな差がある、というかまったく違うものがある。
けれど、評価するプロセスは同じなんだ、ということがわかった。

ファーストレスポンダーになる可能性は誰にでもあるのだから、やっぱり登山者がウィルダネス・ファーストエイドを身につけることは重要だと再認識。
私達が講習会で当たり前のように習った評価を下さずに、手当てや救助が行なわれてしまう場合もあること(例えば、高エネルギー外傷の恐れがあってもスパインの評価も何もないまま負傷者を動かすとか)を、今回改めて知り、これは急ぐべき問題のようにも思った。
スパインの評価をしてシロだったからといって、動かすことにはそれまた、いろんな問題があるのだけれど、けれど、知らないことはおそろしい。
経験上、ある程度のことは無意識にやっているのかもしれないが(例えば周囲の安全確認、自分の身の安全確保)、それはプロトコルとすべきことのように思う。

と、、、話は講習会からそれてしまったが。
国際山岳認定医の制度が日本でスタートしたのは去年の講習から。今年初めて認定医が誕生した。
今回は若いクライマー夫妻が参加していて、とても意識が高く、夢や希望をもってやっていることに感激した。
(実は、私はかねてからお二人のブログとHPの愛読者だったので、お会いできるのが楽しみだった)
彼らのような人たちが、ちゃんと育っていける環境が、日本にも早くできるといいなあと思う。

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