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2010年11月15日 (月)

『山と溪谷』12月号発売

今日は終日原稿書き。

本日発売の『山と溪谷』12月号に、以下3本の記事を書きました。

   復活連載「山での「ケガ」「病気」、その実際 ・第4回 クマ襲撃による外傷」
ベアアタックによる外傷を負ったときの、そのケガの実際のことや、現場でのファーストエイド、治療について紹介。ファーストエイドと言ったって、止血するぐらいしかない、というかもしれないけれど、その止血こそが大切。今回登場いただいた、山岳カメラマンの早川輝雄さんも、登山家の山野井泰史さんも失血死を意識したというのだから。
治療については、ベアアタックの症例を何度か経験し、論文も書いていらっしゃる小諸厚生総合病院の山崎正医師と、眼のケガについては関圭介医師に出ていただいた。
生々しい写真もあるけれど、これがケガの実際だということをご覧いただきたい。

なお、クマとの共存の道を探ることや、クマに遭わないようにすることについては、この記事では触れていない。
私自身登山中にクマと至近距離で遭遇したことが数度あり、恐ろしさも感じると同時に、クマの棲み家に私達登山者が分け入っているのだという実感ももっている。
彼らの棲み家を壊すことなく、クマだけでなく、あらゆる野生動物や樹木、昆虫などの生き物たちと互いが平和に暮らしていける道を探りたいと思う。

また、今年クマが多発したことの要因のひとつに、ドングリの不作が報道されていた。この記事にも「ドングリなどの木の実が不作で」と書いたけれど、実際にはドングリの不作を実感しない人も多い。前述の早川さんもその一人だ。山を歩いていても、例年通りドングリの実はみるという。一方で、ブナの実の不作、これこそ確かなものだと実感している人は多いようだ。統計を得たわけではないので、確かなことはわからない。

   ダウラギリ雪崩遭難・捜索の速報 P131
家族・仲間をうしない、その捜索にあたり、心身ともに大変な時期であった当事者の方々には、帰国早々、取材にご協力いただいた。
それは本当に心が痛むもので、どれだけ彼らが生も根もつかれ果てているのか。
お話いただいたことは、正確に書いたつもりだ。
次号に詳細続報を載せる。

   『奇跡の生還へ導く人 極限状況の「サードマン現象」』(ジョン・ガイガー著 伊豆原弓訳)図書紹介 P142
人間もつ精神性について、サードマン現象が起きる場所や環境、条件を縦軸にし、歴史や認知脳科学などの学問を横軸として、問うた本のように思う。

ところで、今月号に珠玉の原稿を2本発見。

ひとつは、P141にある坂下直枝さんが書いた『裸の山 ナンガ・パルバート』の書評。「ゆがみ」

に気づき最初に反旗を翻したのがヘルマン・ブールであり、彼によってヒマラヤ高峰でのアルパインスタイルが蘇ったのだと書いてある。登山スタイルが、その後の自分の登山のみならず人生に大きな影響を及ぼすこと、これは心底実感しているが、それを突き付けれた気分。

もうひとつは、P184-185の廣田勇介さんによる「野外救急法のあり方について」。これほどの文章を書ける人はそういまい。彼が、いままで積み重ねてきた経験とキャリアによるもの。登山者全員に読んでもらいたい。

この2本の記事があるだけでも、今月号は「買い!」。

900908 

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コメント

>azamiさま

本田くんと近しかったのですね。
私は、今年6月末に久しぶりに再会し、1泊2日のトレーニングをご一緒しました。
夜酒を呑みながら、ダウラの計画を聞かせてもらったばかりでした。

立山曼荼羅にも描かれている彼のゆかりの山々は、真っ白でした。
黙祷してきました。

来月号、心して、書きます。

>imariさま、

こんにちは!ご無沙汰しました。
安達太良山でのクマ遭遇については、お聞きしましたよ。
大事に至らずによかたです。

お天気講座……山に行ってしまい、欠席しました。
いかがでしたでしょうか?
私、あの講座にかなりハマっています。

>パンダ先生、

本当に脳みそがやられているとしか思えない……。
ヒグマドクター関連でお世話になり、ありがとうございました。
フォレスター・パンちゃんに1冊送りました。

チーム羆の皆さんに回覧とは、恐れ入る。
プロフェッショナルの皆さん(パンちゃんもか)にご覧いただくとは。

最近の山渓は本気の記事が多いですよね(!)
一時期買わなくなったのですが最近また読み出しています。
ダウラギリの事故、本田さんのツアーに参加したこともあり他人事とは思えず何度も読み返しました。
ご家族が知り合いの親戚だったりと亡くした側のご遺族の話も耳に入ったりで。
遭難事故に関する新聞やネットのニュースはほとんどあてにならないので
柏さんの来月の記事も心して拝読させていただきます。

「クマ」の記事、一番に拝読。生々しい写真に背中が寒くなりました。先月下旬、安達太良山で初めて「クマ」を見て恐怖を感じましたが、登山を続けるのであれば、「クマ」と遭遇する可能性は決してゼロではないという事を再認識した次第です。
明日は「お天気講座」行ってみます。入門書を読むと10分で爆睡してしまう私がついていけるか、かなり不安ですが、まずは「参加することに意義あり」というところでしょうか(笑)

うちに一冊届いたがオヌシの仕業じゃろぅ。痛み入り候、チーム羆に回覧します。

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