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2010年10月 9日 (土)

書く力と活字のもつ力

午前中はF山岳会のミーティング。

午後から活版印刷を体験できるというワークショップに参加。

小さな印刷所で行なうため、参加定員は6人。4倍以上の狭き門をくぐり抜け当選した。

講師やスタッフは、7人と、気づけば参加者より多い人数。

文選し(活字が収められている「タンス」と呼ばれる棚から、必要な活字を拾いだし)、クワタやインテルなどを組み合わせて、拾った活字をステッキの上で組み合わせ、そして印刷までする。

印刷後は、浮き出し印刷も経験でき、最後に、使った組版を解版(版をばらして、活字やクワタなどをもとの場所に戻す)の作業までするのだ。

作るものは名刺。

名前と住所、メールアドレスと電話番号を入れたシンプルなモノ。

紙は3種類用意してくれた。

「柏 澄子」という三文字の名前を組むには、字間をどのようにとるか、なかなか難しい。

姓と名の間は全角+3分空けて、澄と子の間は全角空けてみた。

本当は、もう少しバランスを変えて大きく空けたかったのだけれど、そうするとセンタリングするのが難しくなったり、色々な不都合も出てきて、こんなところに落ち着いた。

最後は、印圧も感じながら、名刺を1枚ずつ刷っていく。

活字を拾うということも、組むことも、印刷することも、これぞすべて「作業」。

私はこの仕事を始めたのが決して早くないけれど、活版印刷をそう遠い存在とは思っていない。

前職でユネスコのニューズレターを作っていた時は、活版印刷がまだ残る品川の印刷所へ、毎月出張校正に通っていた。だから、あの印刷所には活版の匂いがしたし、技術者の方々の指や手は、活字を拾ってきたそれだった。

そんなこともあり、フリーになった時から名刺の日本語面は活版にしている。

だから、今日作った名刺を、いつも私の名刺を作ってくださる、有楽町の活版技術者の方のところへ持っていき、報告したい。

そしていつか、名刺ではなく、文章を活字を拾って、組んで、印刷してみたい。

それはやっぱり、私に文章や言葉のもつ力や、心の底から体を使って文章を書くということを教えてくれた、大沢敏郎さんの文章を。

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コメント

N.Nさん、

先日はありがとうございました。

地震は大変!
活字が収められているタンスもぐちゃぐちゃになってしまったら、気の遠くなるような……。

競馬新聞の活版印刷の話とか、アラビア文字の活版とか、技術者の方々から色んな話を聞けて楽しかったです。

活版は、私のような書き手にとっても魅力ですが、N.Nさん達のようにデザインする方にとっても、創造性のある面白い作業なんだろうなと、改めて思いました。

お恥ずかしいコトに、わずかですが、デザインを引く仕事をしたことがあります(ニューズレターを作っていたころは、手作業でデザインを引いていたので)。組版を作ることは、その当時を思い起こさせるような、いいやもっとわくわくするような面白さがありました。

印刷業界、出版業界、いくつもの荒波がやってきていますね。
けれど、「本」を創るという行為は、不滅だと思うし、どんなに電子書籍が普及しようが、「本棚」(パソコンの中ではなく、部屋に置いてある本棚)はなくならないんじゃないかなって、いまでも思っています。

また、仕事をご一緒できること、楽しみにしています!

先月お仕事でお世話になりましたNです。
活版を体験されたということで、同じ業界の人間として
頭が下がる思いで初めて書き込みをさせて頂きました。

以前は活版職人の手で言葉を作り出していましたが、今は少なくなりましたね。
下版前に地震で全てバラバラになったものを
編集者総出で組み直したなんて話も聞きました。
最近はデジタル化で活版や写植も減りましたが、
電子書籍なるものも出てきて「印刷」そのものも減るのでは?
という時代になってしまいました。
アナログにしか出せないあたたかみもあるので今後も残って欲しいです。
長々と失礼いたしました。

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