2019年9月 7日 (土)

ガイドツアー/大日縦走

先の週末は、大日縦走でした。室堂から入り、称名滝に下山。
ガイドツアー参加者3人に、なんと大日小屋と所縁深いスペシャル参加者も。

 

学生の頃、剱沢で夏の定着合宿をしたときは、休養日は奥大日岳往復でした。けれどその先は歩いたことがない。剱岳が少しずつ角度を変えながらずっと姿を見せ、称名廊下が見下ろせ、天狗平からガキ田、弥陀ヶ原へと続く溶岩台地が広がり、彼方には北アルプスの秀峰たち。そんな眺めが、地形図から容易に想像できるこの稜線、歩かずにはいられません。
展望がある日で、よかった。

 

私を含む5人の、この稜線を歩きたいという動機はそれぞれだけれど、楽しいチームになりました。

 

憧れの大日小屋でも、たいへんお世話になりました。従業員の仁平さんと小屋の主人でありギタービルダーの杉田健司さんのギターの音が甘く切なかったです。杉田さんが歌ったギターパンダの歌詞や、まるで厨房の扉を舞台袖に見立てたような登場には、笑ったけれど、それすらせつなくなるような音楽でした。

 

下山後のドライブは、杉田さんのギターを使っている伍々慧を聴きながら。

 

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旅に連れて行きたい本@アウトドアひとり旅BOOK(枻出版)

『アウトドアひとり旅BOOK』(枻出版)の「旅のおともに連れていきたい本」に、3冊紹介しました。『ランドネ』既出記事の再掲載。
・風の瞑想ヒマラヤ(根深誠、中公文庫)
・ゴリラの森に暮らす(山極寿一、NTT出版)
・日の名残り(カズオイシグロ、早川書房)

 

旅の本質が描かれている『風の瞑想ヒマラヤ』を読んで、何を心得たか、最後の2行に書いてみました。
山極寿一さんの何を尊敬しているのか、書いてみました。
大ファンのカズオ・イシグロの小説への思いを、ノーベル賞受賞プレスリリースを越える意気込みで、書いてみました。

 

ほか、3人の方々が愛読書を紹介しています。
お隣ページの神田めぐみさん(イラストレーター)が、辺見庸の『もの食う人々』を紹介。彼女の文章によると、初版は25年前だそう。初版で買い、面白くて面白くて読み進めたこと、思い出しました。

 

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徳本峠@毎日新聞

本日の「わくわく山歩き」@毎日新聞は、徳本峠です。
web版はこちら→ https://mainichi.jp/articles/20190902/ddm/014/070/014000c

 

初めて徳本峠に登ったのは、幼馴染のさっちゃんと、晩秋の頃でした。
島々から上高地へと峠越えするのも、上高地から入ってゆったり登るのも、また普段は通り過ぎてしまいがちな上高地のアチコチ(穂高神社、ビジターセンター、上高地温泉、大正池周辺の散策)などと組み合わせるのも、あるいは蝶ヶ岳へと中村新道を登るのも、みないいコースです。
涼しくなるこれからの季節は歩きやすく、そして秋の色づきも美しいです。

 

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山岳医療パトロール@黒戸尾根

8/17~18に、日本登山医学会メンバーとして、黒戸尾根の山岳医療パトロールに参加。
今年から、非医療従事者や非会員も参加しています。
一昨年、このパトロールが始動したときに同行取材して以来、一緒に動きました。パトにご協力くださっている七丈小屋を手伝っているときに、パトの方々と一緒になることも多く、近くで活動を見ていましたが。
実際の活動を通して、登山者たちと話すことによって、得るものは多く、勉強になりました。

 

ご関心ある方、ぜひHPをご覧ください。
https://jsmmedme.org/

 

*今回は、早朝始動だったので、朝はお弁当に。8合目で優しい酢飯のお稲荷さんをいただきました。お弁当包み紙はお持ち帰り。

 

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「今年のエベレスト事情からみるこれからのヒマラヤ登山」@『山と溪谷』9月号

8/15発売『山と溪谷』9月号には、6ページにわたって「今年のエベレスト事情からみるこれからのヒマラヤ登山」を書きました。

 

頂稜にびっしりと登山者が詰まり列をなした5月22日の写真、目にした方も多いと思います。たしかにこれが8848mの超高所「デスゾーン」だと思うと、強烈ですが、当たらずとも遠からずなことは、これまでもありました。なにゆえ、今年こんな状態になったのかも、簡単に説明しました。
またこの状況は、今後大きく変わることはないだろうと考えるし、同じようなことはほかの8000m峰やヒマラヤの山々にも見られます。

 

先日の山の日、天気がよい山域が多かったため、メジャールートは混んでいたと言われました。けれど、日付や時間をちょっとずらしたり、なにかに示されたコースではなく、自分でラインを考えたり、少し外していけば、それほど混雑を感じず、快適に登山ができます。
人が多いというだけで、リスクは増す。それは、連休も富士山も、エベレストも同じようなことなのではないかと思います。

 

短時間で書き上げることになり、クリアにできなかった面も多々ありますが、信頼する担当編集者のおかげで、なんとか誌面になりました。
ご覧ください。

 

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北アルプス1泊2日山旅@『PEAKS』

8/15発売の『PEAKS』9月号は、日本各地の1泊2日の山旅コースご案内。私に出されたお題は北アルプスだったので、こんな眺めの2本を書きました。
今月号の「Because it is there」は、真打登場ですね。
そして『PEAKS』は、迷うことなく毎号、「道なき道のケルン」から読みます。今回の書き出しは、「甲論乙駁。喧々囂々。」

 

 

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ロンドン・ジャングル@Tara Books

インド・Tara Booksの『ロンドン・ジャングル』(バッジュ・シャーム)、日本語訳刊行(三輪舎)。
『つなみ』に続いてスラニー・京子さんが手がけたもの。以前京子さんが、「この本こそ訳したかった」と話していたが、内容は想像以上のものだった。

 

表紙の絵は、ロンドンのビックベンとバッジュ・シャームが住む村のニワトリを重ね合わせたようなイメージのゴンド画。
ゴンド人で絵描きである彼が、ロンドンへ行く話。ゴンド人という確かなフレームをもって、ロンドンをみたそのひとつひとつが描かれていて、本質的な旅に迫るような内容でもあった。

 

先日、野外医療の仕事仲間たちと酒を酌み交わしたとき、私たちが敬愛するDr.DJ(野外医療の世界的第一人者)の話になった。DJは、「野外医療」というフレームをもって、世界を周っている人。
自分のフレームがあるとき、世界がこんなにもクリアに見えるんだって、思わせるような本だったし、人間の可能性や聡明さが表れていた。
繰り返し読みたい、宝物の本。

 

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森林インストラクター養成講座

今年の「森林インストラクター養成講座」、佳境です。8月のの講義、私の担当は従来通り「山の安全」。
いつもより20代が多く、質問時間も活発でした。思わず笑っちゃう質問もあったけれど。
講座開始前に、寄ってきた人物にびっくり。某名門大学山岳部OB、私からしたら大先輩。

 

写真は、私の講義のひとつ前に行なわれた「ネイチャークラフト」のときの作品。楽しそう。

 

受講生たちは、野外活動概論、キャンプ技術、ネイチャークラフト、野外ゲーム、山の安全、救急・応急手当、自然保護、民俗学、話法、企画の立て方などの講義を机上、野外で学び、秋に4科目の一次試験へと。

 

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2019年8月20日 (火)

ガイドツアー/薬師岳~黒部ダム縦走

8/9~12 折立~薬師岳~五色ヶ原~黒部ダム・テント泊縦走(ガイド)

 

ちょうど1週間前に静岡駅で別れた森ちゃんと教ちゃんと富山で再会、成ちゃんが加わって、チーム「り」。
前回の南ア南部に比べれば余裕さ、というふたりと、心身共に元気さキープの成ちゃん。ボリュームあるコースですが、足並みがそろっています。

 

槍穂がやがて遠くなり、剱岳がどんどん近づいてきて、裏銀座や水晶・赤牛の稜線、後立山連峰が見渡せる毎日。薬師岳って、北アルプスのほとんどの山が望めるんだな。

 

「秀峰」は、人それぞれだろうけれど、私にとって、薬師岳は秀峰。北アルプスでいうと、薬師や笠は、登ってほしい山。いつか、ほかの山から眺めたとき、この日のことを思い出すだろうなって思う。薬師岳のピークは南北に長いので、雲ノ平あたりから見るとどーんと屏風のようであり、剱や弥陀ヶ原方面からだと、しゅんと引き締まった姿。いずれも重量感があり、好み。

 

4日のあいだに、月が膨らみ、空の雲が少しずつ変わっていった。今回の台風が去ると、山の空気が入れ替わるかなあ。今年最後の夏山だったかもしれない。
ご参加の皆さん、いい時間を、ありがとうございました。

 

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『大雪山から育まれる文献書誌集 第4集』(北海道・東川町発行)

『大雪山から育まれる文献書誌集 第4集』(北海道・東川町発行)。
第1~3集をまとめたもの。
表紙は、東川町在住の写真家大塚友記憲さん。裾合平のチングルマ群生。

 

私も第2集に寄稿させてもらったら、同業の林拓郎さんが、真逆のことを書いているのが、面白かった!

 

好きになって通った土地は、ふと歴史を紐解くと、多くの先人たちが通った土地だったと知った。田部重治、大島亮吉、田淵行男、、中谷宇吉郎、北穂を愛した足立源一郎など。いまよりもずっとずっと大雪が遠かった時代に。
雄大で多様な自然と、山麓の暮らし、自然科学の学者たちが魅せられる貴重な自然現象、文学や写真など表現の世界。
底知れぬ豊かさが湧き出るような土地だと思っている。
本書は、こういった膨大な文献の目録になっている。
これを、町が編集・発行するのだから、すごい。

 

東川町は、ちょっとファンキーな町政であり、それを垣間見る仕事をさせてもらったのも、ありがたい。
そして、これだけ旭岳に通ったのは、最初の出会いの影響が大きい。故・春菜則秀さんのおかげ。彼の寄稿文のタイトルは「大雪山に抱かれて」。まさに、抱かれたまま、神々の庭で遊んでいるはず。
旭岳山麓は「勇駒別」といい、アイヌ語で湯に向かう川という意味。豊富な湯が沸き出る土地が秘めるパワーは、力強い次世代に引き継がれていくのだなあと、思います。

 

これからも、微力ながら、この大好きな土地でなにがしかの活動をしていきたいと思います。
ありがとうございます!
ココから読めます。
第1集 →> 
第2集 →
> 

 

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ガイドツアー/Team Good Jobの夏山

Team Good Job(命名は農鳥小屋ご主人)、白峰三山、仙塩尾根と続き、今夏は三伏峠から聖岳まで4泊5日のテント縦走をしてきました。昨年下山した三伏峠からのリスタートです。
三伏峠~荒川前岳までの空白を歩き、これにてザックさんは南北中央アルプスの主稜線を全部歩いたことになるそうです。

 

難しいセクションや失敗が許されないところが続いたり、逃げ道が少ないルートでありながら、全体的に体力を要し、最終日の聖沢下山まで気が抜けませんでした。皆さん、元気に確実に歩いてくださり、無事縦走を終えることができました。

 

南アルプスは、やっぱりいい!山が大きくて、谷が深くて、緑が濃くて、静かな山歩きができます。
ガイドに参加してくださるお客様それぞれの、山の楽しみ方やセンスに触れながら、今年も、かけがえのない夏の時間をいただきました。

 

個人的には、学生時代に幾つもの思い出のある赤石岳、聖岳に登れたことや、久しぶりに間近で大好きな聖岳東尾根を眺めたなど、貴重な時間になりました。

 

また、日本の山岳地帯の自然環境、山小屋を含めた登山社会の現状を、この山域でも目の当たりにし、考えることも多かったです。

 

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霧ケ峰@毎日新聞連載

毎日新聞の月イチ連載、8月は霧ケ峰。
webはコチラです(有料)→https://mainichi.jp/articles/20190805/ddm/014/070/049000c

 

夏休みにぴったりの山で、家族で訪れても、友人と登っても楽しい山。しかしそれだけではなく、歴史や自然環境も興味深く、四季折々楽しめる山であることを、ご紹介しました。
こういう山歩きを知るようになったのは、10数年前からFRCC(がん体験者の山岳会)の山行リーダーを務め、毎月低山を歩くようになったり、登山ガイドの仕事を始めてから。なかでも霧ケ峰は、季節を変えて繰り返し登った山。

 

ところで、ここしばらく、北杜市の友人宅に滞在。甲斐駒ヶ岳と鳳凰山山が正面に望めて、背後には八ヶ岳連峰。夏休みのため、観光客も増えてきて、皆さん楽しそう。私も、友人の子どもたちとにぎやかに山登りしたり、花火をしたり、スイカを食べたり。そんな時間にもぴったりなのが、霧ケ峰。

 

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2019年8月13日 (火)

ガイドツアー/徳本峠~蝶ヶ岳縦走レポート

7/13~15 大正池→上高地から徳本峠、中村新道を蝶ヶ岳へ縦走

 

梅雨時のなか、じつにラッキーだったのは、お天気とコースのマッチング。
13日、大正池から歩きはじめ、上高地のあちこちを巡ったあと、徳本峠ともご縁の深い嘉門次小屋の上條久枝さんに見送られて、峠へ。
曇り空ながら、明神岳も西穂の稜線も見渡せ、徳本峠らしい景色。
じゃが芋のお味噌汁が美味しい徳本峠小屋は、とっても楽しいところでした。

 

14日、中村新道を歩いて、大滝山、蝶ヶ岳へ。
緑濃い静かな稜線歩き。雨量はごくわずかなうえ、樹林に守られ、雨風の影響をほとんど受けずに、お花を楽しみながら。
この日は、蝶ヶ岳山荘脇のサイトでテントを張って、わいわい共同生活。

 

15日、展望を期待して、横尾に降りることに。槍穂こそ見えなかったけれど、青空と屏風岩を眺めて下山。
横尾山荘で山田直さんに、「じわじわと蝶ヶ岳へ登っていく稜線歩きだったね」と言われ、上高地へ。
今回は、偶然にもおふたりともLOWA。オーソドックスで頑強で歩きやすい良質な登山靴。私も履いてくれば、よかった!
旅のお茶菓子は、地元開運堂の「徳本峠・胡桃餅」「ウェストンクッキー」、お菓子先生のお菓子。その山域に縁あるものや手作りの行動食は、贅沢。

 

「ああ、この山に登ってよかった」「このルートを歩いてよかった」と思えるような―それにはいろんな意味があったり、後々に思い起こすのでもよいのだけれど―登山を、これからもご一緒できるように努めたいです。

 

今後のガイド山行、以下に空席あり。ご関心ある方、お問い合わせください。
8/31~9/1 大日三山縦走 (山小屋泊)
9/13~16・9/21~23 白馬岳~朝日岳縦走 (山小屋泊)

 

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2019年8月 5日 (月)

「東北の高校生の富士登山」MJリンク応援ツアー

田部井淳子さんが遺したもののひとつ、「東北の高校生の富士登山」、8年目にしてやっと、”現場”での参加が実現できました。MJリンクの応援富士登山ツアーです。

高校生たちが明るく可愛らしく、8年間色んなプロフェッショナル達が関わり続けてきたことを見ることができました。
このプロジェクトを引き継いだ長男の進也さんが、1班の高校生達と一緒にノリノリで山頂の鳥居をくぐってきたかと思いきや、下っていき、最後の9班と一緒にまたまたノリノリで上がってきました。Qちゃんさながら。

ひとことでいえば、参加して、とってもよかったです。
そして、田部井さんは、とんでもなく大きなものを遺してくださったのだと思いました。
来年もぜひ続けたいと思います。
MJリンクがスタートして、今年で10年になります。
10年目のなにかを考えたいですね。
昨日今日とMJリンクサポーターの方々(菅野由起子さん、大久保由美子さん)と一緒に行動し、7人の参加者の皆さんと山に登り、手前味噌ながら、MJリンクは、やっぱりいいな!と思いました。贅沢な時間でした。

 

*なお、MJリンクでは、今秋、二度目の台湾ツアーを企画しています。詳細はココ。ぜひご参加を!

 

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2019年8月 3日 (土)

古巣の北穂へ

先月中旬のこと。古巣の北穂高小屋へ届け物と、みんなに会いに。
もちろん往復とも、横尾谷にあるナベさんの岩で定点撮影をして。

 

タイミングよく、入下山には降られなかったけれど、滞在中は雨、雨、雨、展望なし。
けれどその分、静かな時間をもて、小屋のみんなと積もる話をたくさんできた。

 

お客様の夕食にお出ししている豚の生姜焼きは、昭和50年頃からと聞く。40年以上変わらないことが、すごい。
来館の皆さんに心地よく過ごしてもらうために、目に触れないところで、従業員がどんなことをしているのか、それを言うのは野暮だけれど、掃除の仕方、食器の扱い、調理のときの心配り、配膳、どれもこれも、ずっと変わらない。いずれもまっとうな配慮。
こういった仕事のひとつひとつを手伝わせてもらうと、こちらの心も整う。

たとえば、春がやってくると桜が咲く。
桜には誰かを励まそうとか責めるとか、咲き誇ろうとかそんなことは全くなく、ただただ毎春花を咲かせ、散っていく。
同じように、北穂高岳も北穂高小屋も、時を超えて、変わらずそこにある。
それに、登山者は安らぎや勇気をもらったり、何かを期待したり、憧れたりするけれど、それを、泰然と受け止めているようにみえる。

最初の取材は編集部からの依頼だった。20年以上前のこと。その後、明文化するのは難しい動機付けで(ほぼ感覚的な理由で)、通い連載させてもらった。
20年経っても、また書きたいと思わせてくれ、20歳としを重ねてたいまだったら、もっと書けると思わせてくれる存在に感謝。
北穂高小屋のシンボルであるイワツメクサをはじめ、高山植物がたくさん咲いていました。

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「Because it is there」@『PEAKS』8月号

前号は、白馬村在住の松澤幸靖ガイドでした。羊オトコから羊オンナへ。はい、幸靖さんとは同い年です。
『PEAKS』8月号の「because it is there」、除夜の鐘、最後のひとつき「108回目」にて、寺倉力さんにインタビューいただきました。
まさか自分に回ってくるとは思ってもいませんでした。

 

寺倉さんから依頼のメッセージが届いたのは、ちょうど、友人の山小屋の厨房を手伝っているとき。
「既読スルーしちゃいたいよ。こんな中途半端な人間をインタビューしてもねえ……」というと、友人が「インタビューしたいかどうかは、インタビュアーの問題。聞かれたことを、ただ答えればいいんだよ」と。さすが。

 

色んなことを思い出しました。
書きたいと心の底から思った最初の出来事。
大学山岳部の先輩、斎藤尚之さんに初めて会ったときの印象。
書くことの師匠である大沢敏郎さんから教わったこと。
寿識字教室に通う梅沢小一さんらに出会って、彼らの文章には一生かなわないと思ったこと。つまり、書く本質。
「月100枚書き続けられなければ、到底食っていけない」と、もうひとりの師匠に言われたこと。
第一世代のシェルパ取材のために、ダージリンに通った時間。
駆け出しの身で、和田誠志さんや高塚武由さんらをインタビューすることになったときの心細さ。
北穂高小屋に通った日々と、皆から受けた思いやり。
チョ・オユーABCで美しいナンパラを眺めていたら、発砲が起こり、山を登っているのがバカバカしくなったとき。
ガイドの仕事に喜びを感じられる自分を、知ったとき。
長い文章が書けなくなったどん底から、這い上がろうともがいているいま。
そのうちの幾つかは、インタビュー記事に書いていただきました。

 

けれど、私が文章を書けるとしたら、書きたいと思わせてくれる相手、対象があるから。
そして、インタビュー内容とは直接関係のないことでしたが、記事を読んだ、ほかの出版社の担当編集者からもらった感想が、とても嬉しく、仕事をしてきてよかったと、励みになりました。
これからも、コツコツ書き続けます。ありがとうございます。

 

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2019年7月 8日 (月)

北穂高岳と北穂高小屋@毎日新聞

本日の「わくわく山歩き」@毎日新聞は、北穂高岳です。
よかったら、コンビニ、キオスクでぜひ。
ネット(有料)は、こちら 

 

たまらなく好きな山・北穂高岳と、古巣である北穂高小屋について書きました。
北穂に通った時間のなかで、眺めたたくさんの景色のことも。
雪が詰まった北穂沢、夏道が開くと南稜、同行を得たときは東稜から(その方が早いし、写真)から通うことが多かったです。
最後に書いた、北穂高小屋二代目主人・小山義秀さんの言葉は、随分前のものだけれど、北穂で過ごした時間と、彼方此方から北穂を眺めたときの思いと共に、ずっと私の心の中にあります。
義秀さんの言葉、ぜひ読んでいただきたいです。
また、記事に書いた「なべさん(渡辺幸雄さん)の岩」がどこにあるか、横尾谷を歩きながら、見つけていただけると嬉しいです。

 

なんと、若い頃に書いた拙い文章が、webに残っていました。
支配人の足立敏文さんに、滝谷で遊んでもらったときの話。
コチラ→ *文字化けがあったら、リロードしてみてください。

 

20年近く前になりますが、北穂高小屋と私は、あくまで取材を受ける側とする側という関係でした。
小屋開けから小屋締めまで2年間通い、それこそ命にかかわる濃密な時間を共有しながらも、私は敢えて距離を保っていました。
取材相手に近づきすぎてはいけない。
連載が終わってから、私はオカシイほど、北穂に登るタイミングを逸しました。どう付き合っていいのかわからなくなった。
それでもことあるごとに登っていたあるとき、義秀さんに「理由がなくても登るのが山でしょ」と、足立さんに「少なくとも年1回は来るように」と言われ、泣きそうになりました。
山と小屋に会いたいときに、会いにいっていいのかなって素直に思えるようになったのは、連載が終わって10年ほど経ってから。
そんな長い時間、思いやりを与え続けてくれた北穂高小屋に心のそこから感謝しています。

 

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ガイドツアー/会津駒ケ岳レポート

あいにくの空模様だった先週末、ガイドツアーで参加の皆さんと会津駒ケ岳へ。
当初、1週早い企画だったところを、諸般の事情で予定変更したため、満員御礼から私を入れて4人の静かな山の旅になりました。

 

土曜は降られずに、山頂まで。駒の小屋にてお泊り。
私が親しく思って通っている富山県朝日町住民やそこにそびえる朝日岳の関係の方々がふたりも宿泊中であったりして、夜はみなで持ち寄った食糧で料理をし合い、私達も、皆さんからたくさんご馳走になって、賑やかに過ごしました。

 

翌朝は小降りのうちにスタート。ご参加の皆さんは健脚ぞろいでしたが、天候悪化の兆しがあり、稜線は風も強かったので縦走は諦め。滝沢の登山口に舞い戻り。本格的に降雨量が増す前に、下山できました。
雨に濡れたブナとミズナラ、アオモリトドマツがとっても綺麗でした。
雪解けの間際からイワカガミやショウジョウバカマが咲き始めていました。

 

いつ、どんな季節に登っても、気持ちよい山。名山です。
下山後は、山麓の桧枝岐村を遊んで、帰路へ。

 

7~8月のガイドプラン、空席があるのは次の4本です。
ご関心ある方、お問合せ下さい。
7/13-15 上高地周遊+徳本峠~蝶ヶ岳 
7/23-24 高校生富士山応援登山(MJリンク)
8/9-12 薬師岳~黒部テント泊縦走
8/31-9/1 立山・奥大日岳小屋泊縦走

 

 

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2019年7月 1日 (月)

今年のガイドツアーの前に

この週末から、今年のガイドツアーを始めた。当初、5月にも予定していたが、ほかの仕事が入りキャンセルをした。
今年の記録の前に、3ヶ月ほど前のことを、留めておこうと思う。

3月末のこの日、「テントむし」ツアーの1年目から参加してくださっている方々が集まりを設けてくれた。
昨年にて、7年間続けたこのツアーを辞めたからだ。辞めたけれど、いちばん感謝するべき参加の皆さんの前で、ご挨拶する機会もなく、心苦しく思っていたのを察してくれたのかもしれない。ほかにも、数人のグループで集まったり、ウチに遊びに来て下さる方々が続いた。

いただいた特製アルバムの表紙は、会津駒ケ岳から大津岐峠方面へと縦走する稜線のものだった。
このアルバムを見て、1年目は未熟な至らない点も多々あっただろうけれど、原石のようにキラキラ輝いていて、楽しかったなあと思い起こした。
またこの晩は、参加の皆さんと山そのもの、登山そのものの話ができたことが、望外の喜びであったし、私が想像するよりもずっと大きなことをメッセージとして受け取ってくださっていたことを知り、感謝した。

一緒にいい時間を過ごし、いい出会いがあること、それが素晴らしいとご挨拶くださった方もいたが、それはあとから着いてくるもの。
まずは、いい山登りを提供すること、それがガイドの仕事。直球ど真ん中ストライク。
つくづく、ガイドは機会やきっかけを提供できれば、御の字であり、山そのものがみんなに与えてくれるものが素晴らしいのだと、思いました。山が偉大であり、登山という行為が素晴らしい。

この日参加の皆さんには言ったけれど、辞めてとても清々しく思っています。

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2019年6月28日 (金)

音読とオーディオブック

去年あたりから、ときどき、オーディオブックを使っている。
いまのところ、内容と使うときを限ってはいるが、相応の量を聴いてきた。
端的にいうと、便利なシロモノだ。


原稿を書くと、ほとんどの場合、音読するようにしている。
文章がスムーズに流れるかどうか、計っている。

オーディオブックでは、聴きやすい文章とそうではない文章に分かれる。その差がどこにあるのか、突き詰めて考えたことはない。
けれど、音読がスムーズなのと、聴きやすい文章なのとは、また違う気がする。
それに、ときに、スムーズではない文章にも名文があるようにも、思う。
恩師は、短文だけがわかりやすいのではない、一文が長い文章を書けるかどうかは、書き手の実力だ、というようなことを言っていた。

今日入稿した原稿。
どうも、音読するとスムーズではない。もっと手を入れた方がよさそうだ。入稿したけれど……。
はたして、この原稿をオーディオブックにしたら、聴き手は、どう感じるのか、そんなコトを考える。
名文にオーディオブック向きのものは、確実にあるが、名文が必ずしもオーディオブックに向いているとも思えないし、書き手としては、そのあたりのことがモヤモヤするばかり。

 

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2019年6月26日 (水)

旅に連れて行きたい本3冊@『ランドネ』

現在発売中の『ランドネ』(枻出版)に、一人旅に携えたい本を3冊紹介しました。

 

『風の瞑想ヒマラヤ』(根深誠)
書くことを生業にする意味と覚悟、書くという行為について、最初に教えてもらった根深誠さんの著作。
旅先で友人を見送るのは難しい……そんなとき、いつもこの本のあるシーンを思い出します。
雑誌には、入手しやすく旅に携帯しやすい中公文庫の書影を載せましたが、立風書房の単行本(↓)を見つけることができたら、ぜひ手に取ってみてください。故・田村義也氏の装丁が味わい深いです。

*「旅立ちの見送り」

 

『日の名残り』(カズオ・イシグロ)
私にとってカズオ・イシグロの一冊目、15年以上前にチョ・オユーABCで読みました。
ラサを出るとき、親しくなった中国人の友人が、「記念になにか欲しい」と言い出し、汗まみれになった毛糸の帽子を指すので、それだけでは忍びないと思い、日本語は読まないだろうに、この本を差し出しました。
良質な小説が、旅には必要だと思います。
私がなぜ、カズオ・イシグロを好きか、書いてみました。

 

『ゴリラの森に暮らす』(山極寿一)
山極寿一・京都大学学長が40代で書いた本です。
山極さんの生き方や研究者としての姿勢に大いに感化され、それは旅へのインスピレーションにもなりました。
ご本人に失礼承知で、率直なこと、書かせてもらいました。
最近は電子書籍で持ち歩く人も増え、それは便利だけれど、最大の弱みは旅先で友人と本の交換ができないこと、旅先に本を置いてくることができないこと。ちょっと、楽しみが減ります。

 

ランドネの読者の平均年齢は34歳、男女比は4:6程度だそうですが、今回の文章、それ以外の方々にも読んでもらいたいです。
50代男性とか、10代女性とか、どなたにでも。

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2019年6月 9日 (日)

甲斐駒ヶ岳@毎日新聞

本日の「わくわく山歩き」@毎日新聞は、甲斐駒ヶ岳です。
よかったら、ご覧ください。

6/5-6と、梅雨入り前の最後の晴れの日に、黒戸尾根を登ってきました。久しぶりに山頂まで。
3週間前と比すると、ツツジやオウレンが終わりかけ、ミネザクラやコイワカガミが綺麗でした。
9合目近くに差しかかると、なんとなく夏山の匂いがしてきて、つぎの季節が始まる予感がしました。
色んな心持ちのときがありますが、黒戸尾根は、いつ登っても、心が鎮まります。

この連載、自分とその山の関わりあいも含めたエッセイを書いていますが、甲斐駒ヶ岳については、黒戸尾根の清々しさを書きたいと思いました。

今日も先ほど、笹子トンネルを抜けました。松本行きのあずさ。もちろんD席です。
梅雨空、ざんねんながら、甲斐駒ヶ岳の姿はありません。

cf*小屋番の夏ひる飯

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2019年5月22日 (水)

『大人の山登り入門』-50代夫妻を山へ・澤田実ガイドと共に

去年の今日のfacebookより。
去年の今ごろ、『大人の山登り入門』というムック本を出版したときの話です。
旧知の澤田さんですが、ガイドになってから山をご一緒したのは、この時が初めて。
登った時間が、豊かなものとなり、そこには、そのガイドの人柄や生き様が表れている、触れることができる。ああこの人と登って、ほんとうによかったな、幸せだなあと思わせてくれる、そんなガイドさんってほんとうに素晴らしいなと、澤田さんと登って思いました。
心より、ご冥福をお祈り申し上げます。

*****
全体の監修とライティングを担当しました。
ライターは複数参加していますが、主だったページは、50歳トリオ(山本晃市、森山憲一、柏澄子)が執筆。
アラフィフが山登りを始めるという内容なので、年齢的にはぴったりな。仕事の進め方も内容も三者三様なのは、言うまでもなく。
内容は多岐にわたりますが、2つのコーナーを紹介したいと思います。
ひとつ目は、「夫婦ふたりの初めてハイキングに密着!」
50代半ばのご夫婦に登場いただき、丹沢の端っこにある高取山・仏果山を縦走しました。
サーフィンと海釣りが大好きで年間100日は海に通う黒沢英喜さんと、読書に手芸とインドア派であり、山は小学校の富士山以来という黒沢英里さん。
おふたりが、山を味わっていく様子が、とても瑞々しく。
歳を重ねた方が新たなことを経験するとき、こんな風に智恵があって、だからこそ純粋なれるんだなあと、とても素敵な大人の趣味を見せてもらいました。
黒沢夫妻のコメントも載せています。
そんなお二人をガイドしてくれたのは、澤田実さん。
取材に向かうクルマのなかで、英喜さんの海の話を聞き、「ヨット、やってみたいんですよね。だって地球の70%が海でしょう」と。
帰路のクルマのなかでは、大学時代からの趣味である洞窟の話をずっとしていました。
山のなかでは、専門の鉱物や火山の話も。
澤田さんはいつも楽しそうに山に登っていて、穏やかで豊かで、今回のガイド役を澤田さんにお願いして、ほんとうによかったです。
ちなみに、20年以上前のコトでしょうか。ギター背負って小川山レイバック初登の顛末も、根掘り葉掘り聞いちゃいました。
ルートの途中で(あの比較的しっかりしたスタンスかな)歌ったのは、尾崎豊だったはず、と。
大人になってから、山登りを始めたいという方がお近くにいたら、勧めてみてください。
*facebookの写真は、私が取材中に撮ったもの。本誌は、加戸正太郎さんの写真でご紹介します。
https://www.ei-publishing.co.jp/magazin…/detail/mook-464491/

 

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2019年5月17日 (金)

会津駒ケ岳@5/13毎日新聞

5月13日の「わくわく山歩き」@毎日新聞は、会津駒ケ岳でした。
webでもご覧いただけます(有料)。
https://mainichi.jp/articles/20190513/ddm/014/070/019000c

 

繰り返し登りたいと思う山に出会えるというのは、「仕合せ」です。何度も通って、少しずつ見えてくるものがあり、それがしあわせです。

 

新聞は、多くの方々が読んでいるので、思いがけないところから、「読んでます」と声をかけてもらいます。
親戚や13年前に亡くなった山仲間の義父母さま、ありがたいことだな、と思います。

 

ところで、来月の会津駒ケ岳ガイドツアー、山小屋の事情などあり急きょ日程を変更しました。そのため、満員御礼から残席多に。
6/29-30 滝野登山口→会津駒ケ岳(駒の小屋素泊まり)→縦走してキリンテへ下山。残雪と新緑が山に躍動感をもたらせてくれる、美しい季節です。
ご興味のある方、ご一報を!

 

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2019年5月 4日 (土)

春菜夫妻との出会い

4年前の今日、2015年5月4日のfacebookより。
旭岳山麓に住む春菜夫妻のこと。あと1ヶ月で、春菜さんが亡くなってからちょうど1年になります。

 

*****
最初の出会いというのは、とても大切だ。
私の場合、それがヌタプカウシペの春菜夫妻だった。

 

初めて東川町を訪れ、冬の大雪山に登ったのは10年以上前のことだ。なぜ、ヌタプを訪ねたのかは忘れてしまった。モンベルの昔のカタログ表紙にあったロッジの写真が印象的だったのか、あるいは偶然だったのか。
けれどじつは、数年間は春菜夫妻とは大した話もせずに、ただ泊まらせてもらっていた。毎朝、春菜さんがクロカンコースの整備に出るけれど、それがどういうことかもわかっていなかった。

 

だんだんと話をするようになり、どうやって彼らがこの土地にやってきたか、どんな暮らしぶりであるのか、ちょこっとだけ知った。何年も経ってクロカンをやるようになって、春菜さんってすっごい人だったのだと、やっとわかった。それは、クロカンに関わる者としてもだけれど、登山や自然に関わる者としても生活者としても。
初めての出会いが春菜夫妻だったことは、私が途切れることなく旭岳に通っている大きな要因だと思う。
褪せることのない旭岳や東川町の自然の魅力を感じられるのは、知らず知らずのうちに、夫妻の目を通した旭岳を、私も見せてもらっていたからだと思う。

 

今回の東川町訪問は、『大雪山 神々が遊ぶ庭を読む』出版の集いに出席するためだった。
本著は、2/28に出版されたもので、編者は”写真文化首都「写真の町」東川町”となっている。つまるところ、東川町で作った本だ。町が一冊の本を出版しちゃうなんて、そうない話だ。
近年、いくつかの地方自治体の山岳観光や地域活性化に関わる仕事をいただき、各地を回っているが、東川町はたぐいまれなる町だと思う。
ある方が「ファンキー」と表現したけれど、言いえて妙。町政も町民も、面白いほどファンキーかもしれない。活気ある土地というのは、そこにある自然や文化の本当の価値を自覚していて、本来的長期的視野が保たれている。

 

式の席順が春菜さんの隣だったことは、嬉しかった。沢山話さなくても、訪れるたびに心に残る小さな会話を積み重ねていける。春菜さんの席を訪ねてきたある男性が「”神々の遊ぶ庭”という言葉は、彼が最初に言ったんだよ」と教えてくれた。アイヌ語のカムイミンタラは直訳すると”神の庭”。それを神々が遊ぶと表現した春菜さんは、やっぱりロマンチストだ。ちょっと離れたところから旭岳連峰を望むと、ほんとうに空からこっそりと神々が降りてきて愉しそうに遊んでいるように見えることがあるから、不思議だ。

 

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2019年4月14日 (日)

箱根・浅間山@毎日新聞「わくわく山歩き」

本日の「わくわく山歩き」@毎日新聞は、箱根の浅間山です。
よかったら、キオスクやコンビニへどうぞ!

 

桜のことを書きましたが、新緑も紅葉も冬枯れの季節も美しいです。鷹巣山への道すがらに、朴の木があり、つづら折りの登山道が樹木の上に差し掛かるころ、花からなんとも甘い香りが漂ってきたこともありました。山では、背の高い樹木でも上から眺めおろすタイミングがあるので、面白いですね。

 

「ザ・花見」の習慣はありませんが、自宅裏手の公園の桜は見事で、夕ご飯をタッパーに詰めて桜の木の下のテーブルで過ごすことはありました。山仲間は、会社終業後の帰宅ランで、都内の桜の名所を回ったと言っていましたが、そんなのも面白いなって思います。
今年は、友人と近所の鮨屋に行く道すがら、夜桜を仰いだのが花見でした。それで最後かなって思っていたけれど、昨晩は別の友人と、明治通りの桜並木を歩いて帰ってきました。そろそろ葉桜。こんな風に、色んなタイミングで眺めた桜は、心に残ります。
桜並木が迎えてくれる、浅間山も。

 

ところで。先日、担当者が打ち合わせにお越しくださったときに、毎日新聞のレイアウト「腹切り」について尋ねてみました。新聞記事の性質上、完全な腹切りは難しく、今では用いられていないそうです。1990年代初めに、毎日が題字を変えるとともに、腹切りのレイアウトにしたのは斬新でした。その時のなごりが、いまもあるように感じるし、各紙レイアウトに特徴があるなあと思います。

 

今月は、校閲さんとのやり取りも、興味深かったです。
「毎日新聞・校閲グループ」のfacebookは以前から読んでいるので、なんとなく顔がほころびます。

 

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2019年3月30日 (土)

『みんなの山道具』

現在発売中の『みんなの山道具』(枻出版)。
自分自身の道具部屋の紹介と、夏のテント泊縦走で使う装備紹介などについて、書きました。
装備は、「山業界の達人たちがソロ装備を」という設定ですが、単独で山を登る機会はそう多くはないので、昨夏の仙塩尾根縦走ガイドのときのものを基準にしてあります。
装備を前面に打ち出した本に対して、失礼承知で言えば、装備ばかりを強調する風潮は好みません。記事に書きましたが、「〇〇のシュラフでは寒くて眠れなかったから、◇◇にしてみようと思う」と言われると、ときどき違和感があります。装備だけで解決できることではないので。


ほかのページに掲載されている方々の道具部屋をみてびっくり。とてもキレイでオシャレでした。
私の部屋は、まったくお恥ずかしい散らかり具合ですが、20年以上前に知り合った友人の小竹将通くんが作ってくれた部屋です。
マサとどんな会話をして作ったかなども、書きました。ありがとう。

 

写真は、道具部屋の入口に飾ってある水谷章人さんの作品です。
取材では、水谷さんの脚モチをしていたというカメラマンさんが撮ってくださいました。
https://www.ei-publishing.co.jp/magazines/detail/peaks-b-482478/

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2019年3月27日 (水)

山を楽しむ女性ヒストリー@『ランドネ』

『ランドネ』は、今年で10周年を迎えるそうです。
3/23発売の5月号には、中綴じの特別企画があり、田部井淳子さんと四角友里さんについてと、雑誌編集者の座談会を書きました。
田部井さんのことは何度も書いてきたし、この先も書き続けたいと思っています。今回の短い記事の中にも、読者の皆さんが新鮮に思ってくれることがあるかもしれません。夫婦のこと、家庭のこと、山のこと、命の閉じ方までも。


座談会は、佐藤泰那さん(ランドネ編集長)と小林百合子さん木村和也さんです。
小林さんは2010年から『Hütte』(山と溪谷社)に携わったほか、カルチャー誌に女性の登山について執筆したり、女性に向けた書籍も多数作っている編集者です。
木村さんは、当時『ヤマケイJOY』編集部に在籍し、涸沢フェスティバル(2008年~)を発案し開催にこぎつけた方。現在は『山歩みち』の編集長です。
『ランドネ』の前身となった、「オンナの子のためのアウトドア・スタイル」@『フィールドライフ』を作った福瀧智子さんが、日程の都合でどうしても参加できなかったことが残念ですが、前述の3人が山ガールブームの起こりといままでのことを語ってくれています。
私自身も多少なりとも、このブームのなかで仕事をした者ではありますが、彼らがいかに深く広く色んなことを考えていたか知り、自分の無力さを思い知りました。
短い記事で、書ききれなかったことだらけですが、こんな顔ぶれがメディア上で一堂に会することはめったにないので、ぜひ読んでください!


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2019年3月18日 (月)

安達太良山@毎日新聞「わくわく山歩き」

本日の毎日新聞「わくわく山歩き」は、福島県の安達太良山です。
私が、初めて登った雪山。高校2年の1月末のことでした。
安達太良山には、幾つかの思い出があります。

 


初めて登った35年前の冬は、千葉県内の高校山岳部が集まった講習会でした。

 

このとき、たくさんの新鮮な経験をしましたが、一緒に参加した真里は、一生の大切な友人であり、安達太良山で出会った、隣の高校山岳部だった面々は、同い年ながら、何歩も先を行っていました。彼らが雪洞を掘ることに驚いたし、その後、藪漕ぎや沢登りって何ぞやとか、白神山地(いまの白神山地ではありません、35年前の原始的環境です)を教わったのも、彼らからでした。

 

大学山岳部に入ってきた、女子部員たちと登った冬もありました。

 

冬以外に初めて登ったのは数年前の秋、田部井政伸・淳子夫妻とでした。
その後、こんどは春先に登りました。2日目、雪面がフィルムクラストになったことを、とてもよく覚えています。
フィルムクラストについて思うたびに思い起こすのは、こちらの文章。紙面では詳細まで触れることができなかったので、ここにリンクを。


映像作家の関口雅樹さんの文章には、スキーを走らせると白波が押し寄せるようであったり、桜吹雪が舞うようであると書いてあり、三浦敬三さんの『黒いシュプール』についても触れています。
私が、フィルムクラストの雪を思い出すたびに、それがモノクロームの絵であることは、この文章の影響かなと思っています。

 

 

 

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2019年3月16日 (土)

フィッツロイ報告会へ

今井晋さん舟生大悟さんが、札幌で「Patagonia遠征報告」をやるというので、マイルもあったし、弾丸行ってきた。

昨年12月のFitz Roy Supercanaletaほか3本のクライミングについて、写真を交えたトーク。
脂がのっていてイケイケの33歳・大悟くんと、酸いも甘いも嚙み分けたベテラン47歳・晋さん。

 

この遠征がどうやって始まったか、それぞれから聞いていた話と、この日のふたりの話が符合し、とてもよかった。大の大人たちがこうやって自分をプッシュするから、カッコいいんだなあって思う。
ふたりのホームでの開催でもあり、会場は和気藹々としていて温かい雰囲気だった。

 

ほんとうに、 行ってよかった。

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2019年3月14日 (木)

4年前の今日-登山中の突然死について、そして登山に関するマスメディア報道について

昨日に続き、今日は4年前のfacebookより。


******

2015/3/14

労山の多摩西部地区の総会にお呼ばれし、話をしました。
3年目にして果たせた約束。

テーマは、山の突然死。書籍にしたのは2008年とちょいと昔。それ以前から、同テーマで雑誌には書いていたし、その後もデータ収集はしています。
突然死は、登山中であるとどんな点でリスクが大きくなるのかということと、いくつかの事例を話しました。事例のほとんどは、書籍やバックナンバーで読んでいただけますが、取材のなかで感じたこと、考えたことなども話しました。1件の事例を取」材するには最低でも1ヶ月以上かかるので、それぞれのストーリーがあります。
古い事例ですと10年近く前の取材になりますが、その多くを私は鮮明にそして印象強く覚えてます。つまり、どこでご遺族や死亡した方の山仲間とお会いし、どんな話をしたか、その時の彼らの表情まで。

取材裏の苦労話を、読者の皆さんに知っていただく必要はありませんが、どんな取材をしたか、どういった手順を踏んだか、取材の事細かなこと、文字にできなかった取材がどれほどあり、それはどういう理由か、それらについてごくわずかでも話すことで、突然死とういのが、また山岳遭難というのがどれほど悲惨で、遺されたものにとってつらいものなのか感じてもらえたかもしれません。


先だってのヤマケイの記事(雪崩遭難の捜索救助化とビーコン)も同様ですが、一般社会に生きる我々が、登山者として、あるいは私の場合は書き手としてやるべきことは多々あります。
そういった観点から、登山に関する報道について思うこと、またそれについて私が立ち向かいたいと思っていることについても、蛇足ながら話しました。


また今日の仕事は、個人的な思いではありますが、山と仕事の先輩のことを思いながらやりました。敷島悦朗さんは、私にたくさんのことを教えてくれただけでなく、当時私が主としていた出版社が傾いたときに、私と私の仕事を守ってくれたかけがえのない先輩です。登山を文化としてスポーツとして根付かせたいと思っている私にとっては、彼を喪ったことはほんとうに血肉を削られる思いであるし(むろん個人的にも)、またもっとこれから自分が頑張らなければならないとも思っています。


話を戻します。
今日会場で、「去年は来てくれると思って、書籍読んで待っていたよ」と言って下さった方もいました。講演中にも述べましたが、こと近年の登山に関するマスメディアの報道を苦々しく思っています。だからこそ、マスではない位置にいる私たちが、もっと頑張らねばならない時です。

辛抱強く私のことを待ってくださっていた皆さん、今日はほんとうにありがとうございました。

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«4年前のアバランチビーコンの記事

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