2019年11月26日 (火)

言葉

文筆業の身で、記憶を言葉や文章でとどめることが多いことに、ある時気付いた。
山を歩きながら、その時の眺めや思いや感覚を、言葉や文章に置き換える瞬間がある。
これは職業病なのかもしれない、と少し残念に思った。
映像作家の友人は、画で記憶すると。写真家の友人は、言葉に懐疑的だ。
彼らのほうが、色眼鏡なくありのまま記憶するように思えて、羨ましい。

 

大菩薩嶺から小金沢連嶺を縦走するいちばんの楽しみは、富士山と南アルプスの眺望。
白峰三山や赤石・聖といった南部の山々から東に延びる尾根については、文章で表すことができた。
けれど、手前に見える甲斐駒ヶ岳については、ひとつの言葉で形容するしかない。
甲斐駒や剱のような山を見て、「カッコいい」というのは簡単なことだった。自分でもあきれるほど繰り返し、心からそう思ってつぶやくのだが、あんまりにも浅はかに思えてきた。
甲斐駒ヶ岳を形容する言葉について、今月の毎日新聞の連載に書かねばとつらつら考え、あずさのD席車窓から甲斐駒ヶ岳を眺めていた。
思いつき、書き記した言葉は、宇野浩二が「山の団十郎」と表現したことがヒントだったのかもしれない。

 

言葉に懐疑的な写真家の友人を思い出しながらも、手元にあった最果タヒの近著に救われた。
「一つの言葉が多くの人の心をつなげ、一つにするなんて、そんなホラーはないだろう。言葉は通じないものだ……でもそれが、人を、ひとりきりのままでも息ができるように、無数の人が行きかうこの場所で、息ができるようにしているのかもしれない」

 

多くの心をつなげるどころか、最も親しい人との間で交わされる言葉とて、通じないことが大半なのではないかって思う。他者を本当に知ることなんてできないし、それこそホラー。
けれど、人の孤独になにかを投げかけることはできるのかもしれないと思うと、文筆業も救われる。

 

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亡父

毎月末の毎日新聞に、連載をしている。
ひとつの山を取り上げ、その山にまつわる自身の経験や思いも加えながら書く読み物であり、極私的な内容になることも。
昨日掲載の、大菩薩嶺。父のことを書かざるを得ない山。

 

親不孝者であった娘は、父が亡くなってから、自営だった彼の仕事の残務処理を慣れないなか半年かけて必死にやるなかで、父の足取りをたどり、彼の仕事ぶりを知った。
社会というものを、少しだけ知った機会でもあり、親はそうやって生き様を子に見せるのか、とも考えた。
取り返しのつかない時間に対して、それが自分の中にあるものであればあるほど、自分でも驚くほどドライに捉えられるときもある。

 

最近取材する父と娘たちを微笑ましく思い出したり、友人と話すなかで、たとえ親は目の前からいなくなっても、それが死別だろうが生木を割くような別れであっても、親は親なんだなと思う、昨日と今日。

 

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大菩薩嶺@「わくわく山歩き」毎日新聞

本日の「わくわく山歩き」@毎日新聞は、大菩薩嶺です。
webはこちら 

 

この連載は、筆者とその山の関わり合いや経験も含んだ軽い読みもので、今回は亡父との思い出をほんの数行書きました。父にとって娘がどんな存在なのかは、永遠にわからないけれど、娘にとって父がどんな存在なのかは、わかるようになってきました。

 

大菩薩は、この季節に歩くのがいちばん好きで、とくに小金沢連嶺へと縦走するときの、富士山と南アルプスの眺望がたまりません。
南アルプスは甲斐駒ヶ岳が手前に見え、南部まで見渡せます。いちばん手前の甲斐駒のことを、これまで「カッコいい」と言ってきたことが、あんまりに軽薄な気がして、甲斐駒に似合う形容詞を考えてみました。
掲載写真は、その眺めです。

 

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2019年11月21日 (木)

竹内洋岳さん、アンカーとスポンサー契約記者会見

昨日は、プロ登山家竹内洋岳さんが、アンカージャパンの記者会見に登壇。スポンサー契約を締結。
今後、ヒマラヤという過酷な条件下でのアンカー製品使用のフィードバック、新製品開発へのアドバイスを担うなどの話がありました。
そして、「プロ登山家」として今後も歩んでいく所存を、私たちに示してくれた機会でもありました。

 

写真の最後の1枚は、同日夜、御徒町で行われた花谷泰広さん企画の会に竹内さんが登壇したもの。20年近く毎年途切れることなくインタビューし続けた先にある、慣れ親しんだ声。何度聞いても、彼の話は心にすっと入ってきて、そして心地よいのです。
そんな竹内さんの魅力については、近いうちに幾つか書かせてもらう予定です。

 

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2019年11月10日 (日)

三頭山@毎日新聞「わくわく山歩き」

10月28日の「わくわく山歩き」@毎日新聞は、東京都と山梨県の境に位置する三頭山でした。
web版はコチラ 
東京でまとまったブナが見られるのは、三頭山と日原川流域。
くわえて三頭山は、カエデの種類も豊富です。
写真は、数年前の11月6日。これから、紅葉・黄葉が綺麗な山です。

 

ブナのことを書こうと思っていたのに、まったく違う話になってしまいました。
いずれまた、旅するブナの山を。

 

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「東北の高校生の富士登山」報告書

夏に、MJリンクで応援参加した「東北の高校生の富士登山」の報告と高校生の感想文集を、応援ツアー参加者宛てにいただいた。
登る前と登り終わってすぐの一言、感想文、俳句や川柳、参加OB/OGのいまの様子も収められていて、読み応えがあった。

 

今年はMJリンクで応援ツアーを作り、8回目にしてやっと、「現場」で応援、参加でき、たいへんたいへん遅まきながら、やってよかったと思っている。感想文や報告書の中味は、とても簡単には紹介できないけれど、こちらが背中を押されるような内容があり、それは現場でも感じていたこと。

 

応援ツアーに参加してくれた美樹さんがfacebookに、「迷っている高校生もったいないぞ、ノボロ―」って書いていたけれど、ホントその通りだ。
東北の高校生、来夏も富士山で会いましょう。
私たちも応援ツアーやります。ぜひ、こちらにもご参加ください!

 

今後に向けて、募金もお願いしています。
・田部井淳子基金 http://junko-tabei.jp/
・東北の高校生の富士登山 http://junko-tabei.jp/fuji

 

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ボランティアという名の見学

10月の日曜日、予定していた登山がリスケになり、ひょんと空いた時間。
大学山岳部の1年後輩のアライが、山岳部の学生たちを連れて、ボランティアへ行くという。
それじゃあ私も、と4人で飯山へ向かった。
mont-bellがやっているアウトドア義援隊の活動に参加。
ほかの参加者たちと幾つかの地域に分かれて、作業へ向かった。
長野市赤沼地区の担当は我々4人と、全体を取り仕切ってくれるmont-bell社員の方。
途中、辰野会長も作業にやってきた。

4人が一緒に活動するのかと思いきや、二手に分かれるようにと。
我々おじさんとおばさんが、自分の子どもぐらいの年齢の学生それぞれと組むのがよいのではないかと、アライも私も内心思っていたが、昔からよく知るmont-bell社員のイマイさんが、「じゃ、スミコさんとアライさん、こっちね」と。
その後、作業をしながらふたり、「学生たち、大丈夫かね?」とひそひそ話をしたが、なるようになったらしい。

私たちの役目は、軽トラで災害ゴミを仮置き場へ運び、分別するという作業。
千曲川が決壊して床上浸水した地域であるため、どの災害ゴミも水を含み重いし、汚れている。使い物にならないから、ゴミとなっていくのだ。軽トラに積むのも、仮置き場で下ろすのも、運ぶのもぜんぶ力仕事。だから、女性は男性と組んで、ムリせず息を合わせてやっていくのがよさそうだ。

被災したお宅から仮置き場までの道も、水害にあっているため、泥だらけ。道は混んでいてスタックしたり、そのたびにGoogleマップで新しい道を探す。公園はどんどんとゴミで埋まっていく。アライの運転が絶妙で、泥の丘をぐいぐい上がっていった。ときにはごみの中にあった戸板などを敷いて、クルマを上げていく。
現場を取り仕切る人がいるわけではないし、ルールも状況もどんどん変わっていくなか、隣の人とうまくやりながら、ことを納めていく。

あとでアライから聞くに、けっこう緊張していたそうだ。だから、私が行くと手を挙げてくれてホッとしたと。
彼のfacebookに「まあ、長い付き合い。一言では語れないぐらい心強い仲間」と書いてくれたのは、うれしかった。私の方が1学年上だけれど、頼りない姉さんとその世話を焼く弟のような関係、なのにそんな風に思ってくれるのか、と。
それに、物理的にも心理的にも混沌としていたゴミ置き場で、一緒だったことが心強かったとも。
そうか……たしかに、ほんとうに物理的なゴミもそこに集まる人たちの心理も、混沌としていた。そこで、私がめげることなくいられたのはアライのおかげなのかもしらない。

アライの同期も、私の同期も、災害と同時に、仕事で被災地へ入った。
それはそれはたいへんそうで、アライの同期のクリと電話で話したところ、「布団で寝かせてもらえるだけで、ありがたいや」と言っていた。
私たちは、たった1日ボランティアという名の見学のようなことをさせてもらっただけだった。
これからまた、機会を作っていこうと思う。

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2019年11月 9日 (土)

パンダリ・ネパール大統領来日歓迎パーティ

先月下旬のこと。
ネパールのパンダリ大統領来日歓迎パーティへ。
パンダリ大統領は、亡夫の遺志を継いで就任したネパール初の女性の大統領。
歓迎のスピーチは、プラティバ・ラナ在日ネパール大使ら。

お二人のスピーチにもあったけれど、2015年に制定された新憲法には、国会議員議席の一定数を女性にするよう定められている。
大臣にも複数の女性が就任していることも紹介された。
日本よりも、ずっと政治への女性登用が進んだ国。
日本とネパールの関わりあいについて歴史的に紐解き、ルンビニに始まる仏教のこと、河口慧海のエピソードがあったり、田部井淳子さんを誇りに思っているという話もあり、お二人のスピーチは聞きごたえがあった。

先日、カトマンズで働き始めて3年経つ前職のボスに会ったとき、ネパールの法律や教育問題のいまについて、教えてもらた。
そのとき初めて、図書館法がないことも知った。出版は盛んな国なのに。
重ねて通った国だけれど、新しい発見ばかり。

白馬の登山ガイドと一緒に、白馬の山麓を歩く

白馬山案内人組合創立100周年記念「山フェスタ」の翌月曜朝、組合メンバーであり友人のマッコさんのガイドツアーに参加した。
白馬村にやってきた方々を中心に朝の1時間(6~7時)、投宿先周辺を案内するというもの。
観光の方々も、しょこっと白馬の森や社寺仏閣を巡って、北アルプスを仰ぐだけで、ぐっと山に近づくことができる。とてもいい企画。

この日は、和田野の森から細野の諏訪神社へ下りていき、その後、縄文時代の遺跡や道祖神などを見ながら、ふたたび和田野に戻った。
森がどこからどこまで広がっているのか、そのなかにある諏訪神社のこと(白馬村には諏訪神社が3つある)、諏訪信仰、さらには縄文時代のこのあたりの様子、道祖神の話も聞かせてもらいながら歩いた。

自分の住む土地を案内できるのは、とってもいいことだと思うし、羨ましい。
また、同じエリアを四季折々案内し続けるというのも、素晴らしい。
桂の木から、ハートの形をした黄色い葉っぱがたくさん落ちてきて、メイプルシロップのような甘い匂いがしていました。

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白馬山案内人組合創立100周年記念「山フェスタ」

10月6日、白馬山案内人組合創立100周年記念「山フェスタ」にて、山岳写真家菊池哲男さんが語る白馬の魅力、聞き手役で登壇しました。
登山者とはまた違った濃密な時間を山のなかで持ち続けてきたのだなあと、感慨深い話でした。
前日の「ハクバ」なのか「シロウマ」なのかのシンポジウム、写真家・中田寛也さんとライダーの皆さんのトークセッション、そして、唐松沢が氷河であることが確認された報告など、興味深い話が続々でした。

美味しい、地元の食べ物ブースやご縁あるメーカーさんたちのブースも並んでいて、賑やかでした。
入り口では3人の「明治・大正」「昭和初期」「令和元年」の登山者の姿が。

白馬山案内人組合創立は1919年、大正8年のこと。
そもそもスキーは競技やゲレンデだけでなく、登山の手段のひとつであり、山を楽しむひとつのツールでもある。
そのスキーとクライミングと山歩きと……あらゆる登山をオールラウンドに実践し、ガイドしてきた先達の血は、現役ガイドの皆さんにも受け継がれていると思います。
また、ガイド業だでなく、遭難救助、登山道整備なども代々受け継がれてきた、重要な仕事であることも、よくわかりました。
人の住む処と山が至近であり、そして幅広い登山が実践できる、貴重な場所。

100周年、おめでとうございます。

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2019年11月 6日 (水)

荒木健太郎さんインタビュー/雲を愛することが防災につながる

気象庁気象研究所研究官であり、雲研究者の荒木健太郎さんをインタビューしました。
『アウトドアで防災BOOK』(枻出版)に収録したものに加筆し、webにあります。

雲に関心をもつ、空を見上げることを、ひいては防災につなげたいというストーリー。
印象的だったのは、荒木さんが、雲を研究対象としてではなく、ほんとうに好きになった過程。山の世界でも、自分自身が本当に好きで登り続けている方は、面白い仕事をするなあと思います。
それと、シチズンサイエンス周辺の話。若い頃から自分の専門性を一般社会に還元することを考え続けてきた方。

インタビュー中に話が挙がった、2015年9月の鬼怒川決壊や2013年2月の関東の大雪のとき、自分がどこで何をしていたのか思い出した。
防災というのは、リキが入って敷居が高い。けれど、他人事ではない(というのを、台風15号で私も経験した)。
荒木さんのアイディアは、空を見上げる、空模様に興味をもつ、それはとても面白いこと、そしてやがて理解が深まり、防災・減災につなげて欲しいと。

インタビューは、8月末に筑波の研究所にて。研究室の窓から、筑波山が見え、空が大きく広がっていました。
荒木さんが気象監修した映画、『天気の子』に出てきたような雲もありました。

インタビュー記事は、コチラでご覧いただけます。

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コスプレ登山 by 竹内洋岳さん

今回の剱沢ツアー、キャンセル待ちや日程都合つかず参加できなかった方々も多くいらっしゃったので、竹内洋岳さんの姿を、こっそり報告。

 

ある日予感がして、竹内さんに投げかけてみた。
K「ところで、ドレスコードは?」
T「さすが、勘がいいね。これからはコスプレ登山だよ」
K「有頼じゃないし、平蔵?長次郎?」
T「マロリーだよ。1920年代。柏さんは、スカートにビスチェとボンネットだね」

 

ビスチェやボンネットって言葉がスラスラ出てくる男性、なかなかいないでしょう。笑った。
私の実力を知る各方面の友人が心配して手を差し伸べてくれたけれど、雨天の予報を前にひよりました。
ツィードのスカートを諦め、コットンのビスチェはないね……と却下し、ボンネット、実力外だわと。
初日と2日目とシャツを変えた竹内さんを前にして、まったく申し訳なかった。

 

けれどつくづくわかったのは、ウールは素晴らしい。冷たい雨に濡れても寒くない。脂を含み撥水機能も兼ね備えている。
久しぶりに履いたニッカズボンとウールのジャケットが、多少の雨でも、雨露に濡れたハイマツをこいでも、不快感ナシ。
竹内さんは、ジョージ・マロリーを意識し、ちょいとノエル・オーデルのエッセンスも投入しているそうです。
1924年の第3次エベレスト隊メンバー。ア―ヴィンでないあたりが、なんとも竹内さんらしい。

 

そして、コスプレだけでなく、当時の登山事情、マロリーのこと、当時の装備のことなど、たくさんの興味深いお話を聞かせてくれました。

 

 

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ガイドツアー/剱沢、竹内洋岳さんと

少し前のことになりますが、9/28-29は、竹内洋岳×柏澄子剱沢ツアーでした。
夏の初め、竹内さんとツアーの相談をしたとき、答えは分かっていたけれど、あえて尋ねてみました。「日本でいちばん好きな山は?」。
行き先は、竹内さんがいちばん好きで、大学8年間を中心に数えきれないほど通った剱岳を望む剱沢と、すぐに決まりました。
あいにくのお天気で剱岳本峰は顔を出しませんでしたが、八ッ峰の岩肌が見えただけで、しびれます。
「ひと雨一度」、たった2日間で葉の色付きが進んだように思います。美しかったです。
剱澤小屋の晩は、みぞれも降ってきました。
雷鳥は、足元とお腹が白くなり、冬支度をしていました。

また、満室の週末というお忙しいなか、剱澤小屋ご主人の佐伯新平さんに、剱岳、剱澤小屋のことなど、お話いただきました。とっても貴重な時間。
「祖父と父の七光り」って謙遜するけれど、23年間、剱澤小屋の主人として、彼の人生は剱岳と共にあるのだなあと、改めて思いました。
とんでもない家に生まれ、とんでもない山と対峙し、山小屋を守ることになった新平さんの人生については、もっともっとじっくり話を聞きたいと思っています。

剱沢散策ルートは新平さんのお勧めへ。紅葉・黄葉はどんぴしゃり、誰もいない静かなお散歩ができました。
竹内さんとのツアーは、カトマンズに続いて2度目ですが、いつもとても面白く楽しいです。
今回は、剱岳はもちろん、ツィッターで話題になったコスプレの話(1920年代のジョン・マロリーを再現)から、当時の登山や装備のこと、ダムや治水の話などあれもこれも、楽しませていただきました。
ご参加の皆さん、佐伯新平さんをはじめ剱澤小屋の皆さん、ありがとうございました。

竹内さんfacebook→ http://bit.ly/2njaRux

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2019年10月24日 (木)

ヤッホーリー

山を眺めて、そこに暮らす人たちを思い浮かべるのは、私の場合ふたつだけ。
ひとつは、言わずもがなの北穂高岳。
北穂高小屋は山頂直下に張り付くように建っているので、北穂の山頂を見定めることができたら、小屋を眺めているのも同然。
横尾から本谷へと向かう途中で、最初に小屋の赤い屋根が見えるポイントを、見落としはしない。
北穂高岳は遠くから眺めると、どっしりとした山容で、大キレットと並ぶことが多いので、見極めやすい。
今夏は、水晶小屋を出て、水晶岳までの間から眺める北穂高岳が、ほんとうに素晴らしかった。飛騨側の山肌が美しかった。

北穂高小屋に通ったのは、たった2年だけれど、小屋開けから小屋閉めまで毎月通い、濃密な時間を過ごした。
けれど、その後、彼方此方から北穂を眺めた時間も小屋に滞在したときと同じように、私のなかに北穂の時間として存在するのだと、最近わかった。
小屋で経験したこと、小屋のみんなからいただいたたくさんの温かみが、遠くから北穂を眺めるときに、私の中にあるからだ。
「北穂」と言うと、私の場合、北穂高岳と北穂高小屋の両方を指し、このふたつはいっしょくたになっている。

写真は、9月中旬の白馬岳山頂。毎日新聞の記事に掲載した写真だ。
目を凝らさないとわかりづらいが、遠くに、富士山、八ヶ岳と並んで南アルプスが確認できる。
甲斐駒ヶ岳もわかる。

一昨年、友人が七丈小屋の管理人を始め、友人達がそこで働くようになって以来、彼方此方から甲斐駒を見つけると、Instagramに投稿して「ヤッホーリー」とつぶやいていた。
スタッフのひとりが、ホーリーという愛称の女性だから。
けれど、インスタに載せても本人が見ることは少なく、周囲が「いま下りた」とか「今日はおらん」とかコメントするだけだった。
しかも、最近はホーリーは麓の仕事を担当することが多くなったので、小屋にいる日数も少ない。
そこで今シーズンから、ツートップの小屋番ふたりにMessengerで写真を送るようにした。
反応は、「キャー、見られている」とか「山がたくさんあり過ぎて、どれだかわからん」など。

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白馬岳@わくわく山歩き

9/30の「わくわく山歩き」@毎日新聞は、白馬岳でした。
web版(有料)はこちら→ https://mainichi.jp/articles/20190930/ddm/014/070/018000c

白馬岳、白馬との関わり合いは、数知れず。
初めて登った北アルプスの山、高校1年生のとき。
稜線のテンバで台風をやり過ごすハメになり、気合入れて張り綱張ったけれど、夜、小屋の方に避難してほしいと言われ、気づくと周囲のテントはすべて撤収されていたこと。
春に夏に秋に、北から南から縦走したこと。
残雪の主稜、スキー。
テレビ撮影だったけれど、その後大切な友人になる萩原智子さん達と登ったときのこと。

今回は、栗原すずちゃんが作った「白馬岳新聞」の話を書いた。
誰に教わったのか、「白馬岳」の読み方、「ハクバダケ」とルビがふってある。
そして最後の「すずちゃんの登山アドバイス」が、まっこと感心する。

すずのお父さんとも、何度も登った。
ある年の9月、1週間ぐらい剱周辺でクライミングしたあと、仙人などを経由して、清水尾根を登ったこともあった。
二人とも若かったせいか、それほど長いとは感じず、疲れもせず大池へ向かった。

秋の白馬岳では、既に冬支度が始まっています。
この先、なかなか簡単には登らせてもらえなくなるけれど、白馬村から見上げる白馬三山のどんな姿が好きかも、書きました。
何度か眺めたことがある瞬間、とても硬質に輝くそのときどきのことは、とてもよく覚えています。

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ヅメさんの歌-テーブル登山

友人と、ヅメさんの歌を聴きに、山籟@裏高尾へ。
松籟のなか高校生活を送った身としては、「山籟」という店名に親しみあり。

「水割りと地図」をライブで聴くのは初めて。
「テーブル登山」という歌詞が気になったので、ライブ後、本人に尋ねてみた。
「机上登山」という言葉は、昔からある。机の上に地形図を広げ、登山を計画したり、夢描いたり、妄想したり。
故・西丸震哉さんは、明野にある緑に囲まれた家に住んでいた。著書『机上登山』を基にインタビューに伺ったことがある。
本著のなかに南会津の「黒谷川源流、丸山岳」があり、地形図を見るに、この源流に広がる土地は、秘境の別天地であり、昔の上高地のようなのではないか、というストーリー。
これを読んで、敷島さんと文ちゃんと、黒谷川を遡行した。リトル上高地のようなところに出て、そこで一晩を越した。別天地だった。

ヅメさんは、「机上登山」という言葉を知っていたわけではないけれど、同じことを「テーブル登山」とあらわしたのだ。
もちろん、彼が作った言葉。うーん、なかなかのセンスです。

ライブ後の宴では、久しぶりの色んな方々とたくさん話もできた。
北海道のエゾシカを使ったというジビエ料理はとても美味しく、一升瓶に入った日本のワイン(赤も白)は、しぼちゃんがお酌してくれるがままに、どんどん飲んだ。日本のグラッパというのもあって、いずれもとっても美味しかった!

高尾駅北口から小仏に向かうバスに乗って、蛇滝口バス停下車。高尾山の帰りに立ち寄れる素敵なカフェ「山籟」。
Instagram @sanrai.uratakao

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「覚えておきたい、ファーストエイドのこと」@『アウトドアひとり旅ガイドブック』

コラボしていました……!

『アウトドアひとり旅ガイドブック』の「覚えておきたい、ファーストエイドのこと」。
執筆は編集部ですが、ウィルダネス メディカル アソシエイツ ジャパン(WMAJ)と一緒に、記事作成に協力しました。

野外におけるファーストエイドは、災害時にも使えます。
救急車がすぐに来ない、医療機関に搬送するまでに劣悪な環境で過ごすことになるかもしれない、充分な資機材がないなどの条件が共通するから。
だから、WMAJでは「野外災害救急法」と呼んでいます。

もちろん登山をする人にも有用であり、登山技術・知識のひとつです。
今週は、台風15号の被害が残る千葉県の実家へ通っています。
台風後、数日間続いた停電のなかで、幼馴染やその家族たち(高齢の親御さんもいるし、乳幼児を抱えていることもある)がどうやって過ごしたか聞き、「野外災害救急法」というのは、誰もが知っていてよいものだ、と改めて思いました。

なかなか敷居が高いと思うかもしれませんが、以下には
・2時間コース(モンベル)
・2日間コース
・「誰でも使える緊急通報シート」のダウンロード
などの情報もあります。ぜひ、チェックを!
http://www.wildmed.jp/
https://www.facebook.com/WMA.JAPAN/

また、この記事について書かれているWMAJのfacebook投稿も、記事と併せてご一読いただくと、理解が深まると思います。
ぜひご覧ください。→コチラ
なお、写真は、WMAJのfacebookより戴きました。

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ガイドツアー/白馬岳→朝日岳縦走

2019/9/14-16は、栂池~白馬岳~朝日岳~五輪尾根下山の蓮華温泉へと縦走のガイドツアーでした。
ほんの少し秋の色づきが始まったたおやかな稜線。毎日長丁場でしたが、皆さんのチームワークがよく、楽しく歩いてきました。

白馬山荘も朝日小屋も、そして下山後の蓮華温泉でも、小屋の皆さんに温かく迎えていただき、お世話になりました!
夏のあいだ、電話の声しか聞いていなかったゆかりさん(朝日小屋主人、清水ゆかりさん)に、5月の剱沢以来会えました!

なお、この次の連休に実施予定だった同ルートは天候理由によりキャンセル。10月3連休で仕切り直しましたが、こちらも台風によりキャンセル。来年の実施を予定しています。ご関心のある方、ぜひお問合せ下さい。
白馬岳から朝日岳への稜線はたおやかで美しいです。また、五輪尾根もまた、森と湿原と自然豊かな素晴らしい尾根です。

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遅い夏休み

遅い夏休みは、黒部源流を見下ろしながら、ぐるりと秋の山。
途中、風雨に打たれたけれど、水晶岳付近から眺めた、穂高連峰の飛騨側の山肌が、ものすごくきれいだった。
お月さまと夕焼けの笠ヶ岳もきれいだった。屏風のような薬師岳がかっこよかった。
ありがとう。

9/9  折立→太郎平→薬師峠キャンプ場
9/10  →黒部五郎岳→黒部五郎小舎キャンプ場
9/11   →三俣蓮華岳→鷲羽岳→水晶小屋
9/12  →水晶岳→赤牛岳→奥黒部ヒュッテキャンプ場
9/13  →平ノ渡し→黒部ダム


これは、9月に登山ガイドの仲間を中心とした友人達と過ごした夏休みのメモ。
それほど詰め込んだ行程ではなく、余裕もって歩けると言えども、下山翌日から3日間のガイド仕事が入っていたこともあり、参加しようかどうしようか迷ったりもした。天候不順で予定通り進めなくなったら、チームから離脱して一人下山も考えていた。
けれど、ほんとうにいってよかった。夏のあいだ、個人的に登った山はひとつもなかったからだ。

太郎平に着くと、偶然にも先輩ガイドの顔が見えた。みんなが慕っている岩雄さん。
歓びいさんで、全員が「いわおさーん」と駆け寄っていくと、「ずいぶん、元気やなあ。なんだ今日は、仕事じゃないんか」と笑い顔。
それから5日間の縦走は、心底山登りを楽しめる時間だった。

以前、山岳ガイドのインタビュー連載をしたことがある。
多くのガイドが、山岳ガイドの仕事、自身をプッシュする登山、日常(家族と向き合う時間を含めた日々の暮らし)をどう両立させるか、そのバランスのとり方に苦心していたと思う。
自身をプッシュする登山を続けているガイドは、それだけ魅力がある。

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一糸乱れぬ

この町の盆踊りを知って4年目、3回目の晩夏。
櫓の上の男性が朗々と歌うのに合わせて、踊る。
この踊りが、はてしなく難しい。町民たちも「難しいよね」「3年かけてやっと覚えた」と言うのだから。

昨夏、ザンザ隊のカシラであるSさんの娘たち-町一番の美人さんの双子ちゃんに、「ピョンピョン跳ねていて、可愛かったです」と言われたのは、ビミョーだった。
跳ねちゃいかんのだよ、跳ねるといってもピョンピョンは違う。
けれど、今年は少し違った。始まりと終わりがわかったし、掛け声を入れることもできた。回る方向を間違えるのも少なくなった。ときどきは歌うこともできる。
諏訪神社の日はひどかったかもしれないが、2週目のなないろKANでかなり挽回したつもり。

ちょっと言葉では説明し難い。
いよいよっていうときに2段階ギアで、アップテンポし、ステップがさらに激しくなっていき、クライマックスを迎えるのだから。
百聞は一見にしかず、どころか、百見は一踊にしかず。

男性の踊り手の憧れは、Sさん。双子ちゃんのお父さんは、色っぽい。
女性は、T鮮魚店の女将さん。日舞もやっていらっしゃるそうで、最後まで一糸乱れぬ。
私の浴衣は汗だくになり、下駄や裾は泥だらけになるというのに。
どうしたら、あのようにはらりはらりと艶っぽく踊れるようになるのか。

ひとつは、ザンザの前にはビールを飲まないことだ。女将さんはおそらく、素面でいらっしゃっている。
合間には、かき氷しか食していない。私も真似て、桃のかき氷で水分補給してみたが、それ以前に、友人3人で散々飲んでから、神社にやってきている。
浴衣の下には、しっかりとした襦袢を着ていて、足元は足袋も。これも違う。私は、半襦袢に素足だ。村の子どもみたい。

もうこうなったら、茶道を再開し、所作を改めるか。
来年まで公民館の踊り稽古に通って、ステップを確実に覚えるか。

など、先日ご一緒した方にワインを飲みながら話したところ、「それはポイント外しているね。ステップを覚えるんじゃない。盆踊りの本来の目的は……」と、彼女。
たしかにそうだ、それは中学生でもわかる。
それでもやっぱり、ラジオ体操ではないそぶりでザンザを踊れるようになりたい。

目標高く掲げるが、T鮮魚店の女将さんのように。

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2019年9月 7日 (土)

ガイドツアー/大日縦走

先の週末は、大日縦走でした。室堂から入り、称名滝に下山。
ガイドツアー参加者3人に、なんと大日小屋と所縁深いスペシャル参加者も。

 

学生の頃、剱沢で夏の定着合宿をしたときは、休養日は奥大日岳往復でした。けれどその先は歩いたことがない。剱岳が少しずつ角度を変えながらずっと姿を見せ、称名廊下が見下ろせ、天狗平からガキ田、弥陀ヶ原へと続く溶岩台地が広がり、彼方には北アルプスの秀峰たち。そんな眺めが、地形図から容易に想像できるこの稜線、歩かずにはいられません。
展望がある日で、よかった。

 

私を含む5人の、この稜線を歩きたいという動機はそれぞれだけれど、楽しいチームになりました。

 

憧れの大日小屋でも、たいへんお世話になりました。従業員の仁平さんと小屋の主人でありギタービルダーの杉田健司さんのギターの音が甘く切なかったです。杉田さんが歌ったギターパンダの歌詞や、まるで厨房の扉を舞台袖に見立てたような登場には、笑ったけれど、それすらせつなくなるような音楽でした。

 

下山後のドライブは、杉田さんのギターを使っている伍々慧を聴きながら。

 

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旅に連れて行きたい本@アウトドアひとり旅BOOK(枻出版)

『アウトドアひとり旅BOOK』(枻出版)の「旅のおともに連れていきたい本」に、3冊紹介しました。『ランドネ』既出記事の再掲載。
・風の瞑想ヒマラヤ(根深誠、中公文庫)
・ゴリラの森に暮らす(山極寿一、NTT出版)
・日の名残り(カズオイシグロ、早川書房)

 

旅の本質が描かれている『風の瞑想ヒマラヤ』を読んで、何を心得たか、最後の2行に書いてみました。
山極寿一さんの何を尊敬しているのか、書いてみました。
大ファンのカズオ・イシグロの小説への思いを、ノーベル賞受賞プレスリリースを越える意気込みで、書いてみました。

 

ほか、3人の方々が愛読書を紹介しています。
お隣ページの神田めぐみさん(イラストレーター)が、辺見庸の『もの食う人々』を紹介。彼女の文章によると、初版は25年前だそう。初版で買い、面白くて面白くて読み進めたこと、思い出しました。

 

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徳本峠@毎日新聞

本日の「わくわく山歩き」@毎日新聞は、徳本峠です。
web版はこちら→ https://mainichi.jp/articles/20190902/ddm/014/070/014000c

 

初めて徳本峠に登ったのは、幼馴染のさっちゃんと、晩秋の頃でした。
島々から上高地へと峠越えするのも、上高地から入ってゆったり登るのも、また普段は通り過ぎてしまいがちな上高地のアチコチ(穂高神社、ビジターセンター、上高地温泉、大正池周辺の散策)などと組み合わせるのも、あるいは蝶ヶ岳へと中村新道を登るのも、みないいコースです。
涼しくなるこれからの季節は歩きやすく、そして秋の色づきも美しいです。

 

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山岳医療パトロール@黒戸尾根

8/17~18に、日本登山医学会メンバーとして、黒戸尾根の山岳医療パトロールに参加。
今年から、非医療従事者や非会員も参加しています。
一昨年、このパトロールが始動したときに同行取材して以来、一緒に動きました。パトにご協力くださっている七丈小屋を手伝っているときに、パトの方々と一緒になることも多く、近くで活動を見ていましたが。
実際の活動を通して、登山者たちと話すことによって、得るものは多く、勉強になりました。

 

ご関心ある方、ぜひHPをご覧ください。
https://jsmmedme.org/

 

*今回は、早朝始動だったので、朝はお弁当に。8合目で優しい酢飯のお稲荷さんをいただきました。お弁当包み紙はお持ち帰り。

 

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「今年のエベレスト事情からみるこれからのヒマラヤ登山」@『山と溪谷』9月号

8/15発売『山と溪谷』9月号には、6ページにわたって「今年のエベレスト事情からみるこれからのヒマラヤ登山」を書きました。

 

頂稜にびっしりと登山者が詰まり列をなした5月22日の写真、目にした方も多いと思います。たしかにこれが8848mの超高所「デスゾーン」だと思うと、強烈ですが、当たらずとも遠からずなことは、これまでもありました。なにゆえ、今年こんな状態になったのかも、簡単に説明しました。
またこの状況は、今後大きく変わることはないだろうと考えるし、同じようなことはほかの8000m峰やヒマラヤの山々にも見られます。

 

先日の山の日、天気がよい山域が多かったため、メジャールートは混んでいたと言われました。けれど、日付や時間をちょっとずらしたり、なにかに示されたコースではなく、自分でラインを考えたり、少し外していけば、それほど混雑を感じず、快適に登山ができます。
人が多いというだけで、リスクは増す。それは、連休も富士山も、エベレストも同じようなことなのではないかと思います。

 

短時間で書き上げることになり、クリアにできなかった面も多々ありますが、信頼する担当編集者のおかげで、なんとか誌面になりました。
ご覧ください。

 

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北アルプス1泊2日山旅@『PEAKS』

8/15発売の『PEAKS』9月号は、日本各地の1泊2日の山旅コースご案内。私に出されたお題は北アルプスだったので、こんな眺めの2本を書きました。
今月号の「Because it is there」は、真打登場ですね。
そして『PEAKS』は、迷うことなく毎号、「道なき道のケルン」から読みます。今回の書き出しは、「甲論乙駁。喧々囂々。」

 

 

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ロンドン・ジャングル@Tara Books

インド・Tara Booksの『ロンドン・ジャングル』(バッジュ・シャーム)、日本語訳刊行(三輪舎)。
『つなみ』に続いてスラニー・京子さんが手がけたもの。以前京子さんが、「この本こそ訳したかった」と話していたが、内容は想像以上のものだった。

 

表紙の絵は、ロンドンのビックベンとバッジュ・シャームが住む村のニワトリを重ね合わせたようなイメージのゴンド画。
ゴンド人で絵描きである彼が、ロンドンへ行く話。ゴンド人という確かなフレームをもって、ロンドンをみたそのひとつひとつが描かれていて、本質的な旅に迫るような内容でもあった。

 

先日、野外医療の仕事仲間たちと酒を酌み交わしたとき、私たちが敬愛するDr.DJ(野外医療の世界的第一人者)の話になった。DJは、「野外医療」というフレームをもって、世界を周っている人。
自分のフレームがあるとき、世界がこんなにもクリアに見えるんだって、思わせるような本だったし、人間の可能性や聡明さが表れていた。
繰り返し読みたい、宝物の本。

 

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森林インストラクター養成講座

今年の「森林インストラクター養成講座」、佳境です。8月のの講義、私の担当は従来通り「山の安全」。
いつもより20代が多く、質問時間も活発でした。思わず笑っちゃう質問もあったけれど。
講座開始前に、寄ってきた人物にびっくり。某名門大学山岳部OB、私からしたら大先輩。

 

写真は、私の講義のひとつ前に行なわれた「ネイチャークラフト」のときの作品。楽しそう。

 

受講生たちは、野外活動概論、キャンプ技術、ネイチャークラフト、野外ゲーム、山の安全、救急・応急手当、自然保護、民俗学、話法、企画の立て方などの講義を机上、野外で学び、秋に4科目の一次試験へと。

 

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2019年8月20日 (火)

ガイドツアー/薬師岳~黒部ダム縦走

8/9~12 折立~薬師岳~五色ヶ原~黒部ダム・テント泊縦走(ガイド)

 

ちょうど1週間前に静岡駅で別れた森ちゃんと教ちゃんと富山で再会、成ちゃんが加わって、チーム「り」。
前回の南ア南部に比べれば余裕さ、というふたりと、心身共に元気さキープの成ちゃん。ボリュームあるコースですが、足並みがそろっています。

 

槍穂がやがて遠くなり、剱岳がどんどん近づいてきて、裏銀座や水晶・赤牛の稜線、後立山連峰が見渡せる毎日。薬師岳って、北アルプスのほとんどの山が望めるんだな。

 

「秀峰」は、人それぞれだろうけれど、私にとって、薬師岳は秀峰。北アルプスでいうと、薬師や笠は、登ってほしい山。いつか、ほかの山から眺めたとき、この日のことを思い出すだろうなって思う。薬師岳のピークは南北に長いので、雲ノ平あたりから見るとどーんと屏風のようであり、剱や弥陀ヶ原方面からだと、しゅんと引き締まった姿。いずれも重量感があり、好み。

 

4日のあいだに、月が膨らみ、空の雲が少しずつ変わっていった。今回の台風が去ると、山の空気が入れ替わるかなあ。今年最後の夏山だったかもしれない。
ご参加の皆さん、いい時間を、ありがとうございました。

 

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『大雪山から育まれる文献書誌集 第4集』(北海道・東川町発行)

『大雪山から育まれる文献書誌集 第4集』(北海道・東川町発行)。
第1~3集をまとめたもの。
表紙は、東川町在住の写真家大塚友記憲さん。裾合平のチングルマ群生。

 

私も第2集に寄稿させてもらったら、同業の林拓郎さんが、真逆のことを書いているのが、面白かった!

 

好きになって通った土地は、ふと歴史を紐解くと、多くの先人たちが通った土地だったと知った。田部重治、大島亮吉、田淵行男、、中谷宇吉郎、北穂を愛した足立源一郎など。いまよりもずっとずっと大雪が遠かった時代に。
雄大で多様な自然と、山麓の暮らし、自然科学の学者たちが魅せられる貴重な自然現象、文学や写真など表現の世界。
底知れぬ豊かさが湧き出るような土地だと思っている。
本書は、こういった膨大な文献の目録になっている。
これを、町が編集・発行するのだから、すごい。

 

東川町は、ちょっとファンキーな町政であり、それを垣間見る仕事をさせてもらったのも、ありがたい。
そして、これだけ旭岳に通ったのは、最初の出会いの影響が大きい。故・春菜則秀さんのおかげ。彼の寄稿文のタイトルは「大雪山に抱かれて」。まさに、抱かれたまま、神々の庭で遊んでいるはず。
旭岳山麓は「勇駒別」といい、アイヌ語で湯に向かう川という意味。豊富な湯が沸き出る土地が秘めるパワーは、力強い次世代に引き継がれていくのだなあと、思います。

 

これからも、微力ながら、この大好きな土地でなにがしかの活動をしていきたいと思います。
ありがとうございます!
ココから読めます。
第1集 →> 
第2集 →
> 

 

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ガイドツアー/Team Good Jobの夏山

Team Good Job(命名は農鳥小屋ご主人)、白峰三山、仙塩尾根と続き、今夏は三伏峠から聖岳まで4泊5日のテント縦走をしてきました。昨年下山した三伏峠からのリスタートです。
三伏峠~荒川前岳までの空白を歩き、これにてザックさんは南北中央アルプスの主稜線を全部歩いたことになるそうです。

 

難しいセクションや失敗が許されないところが続いたり、逃げ道が少ないルートでありながら、全体的に体力を要し、最終日の聖沢下山まで気が抜けませんでした。皆さん、元気に確実に歩いてくださり、無事縦走を終えることができました。

 

南アルプスは、やっぱりいい!山が大きくて、谷が深くて、緑が濃くて、静かな山歩きができます。
ガイドに参加してくださるお客様それぞれの、山の楽しみ方やセンスに触れながら、今年も、かけがえのない夏の時間をいただきました。

 

個人的には、学生時代に幾つもの思い出のある赤石岳、聖岳に登れたことや、久しぶりに間近で大好きな聖岳東尾根を眺めたなど、貴重な時間になりました。

 

また、日本の山岳地帯の自然環境、山小屋を含めた登山社会の現状を、この山域でも目の当たりにし、考えることも多かったです。

 

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«霧ケ峰@毎日新聞連載

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  • ✾登山ガイドについて✾
    現在、MJリンクのサポーターなどで活動しておりますが、このほかに個人ガイドをご希望の方は、下記「メール送信」をクリックの上、お問い合わせください。2019年6~11月のガイドカレンダーをお送りします。ほか、オーダーメイドも承っておりますので行き先や内容など、ご相談ください。

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